Sponsored Link

とある狂人の日記

wau








200×年×月×日未明。某県某市にある、全寮制親切高校敷地内で連続殺人事件が発生。
被害者は同校生徒6名(男子生徒1名、女子生徒5名)5人は既に死亡が確認された。
加害者である女子生徒は飛び降り自殺を図り、現在警察病院にて治療中である。
この事件に学校側は、生徒の全員帰宅、各地で緊急保護者会の開催などの措置をとっている。

なお、今回の件は学校敷地内での生徒による大量殺人のため、二次犯罪を防ぐために秘密捜査となった。各マスコミにも報道を自粛するよう通達している。

また、捜査本部は加害者女子生徒の部屋から押収した日記に、犯行の兆候となるものが無いか現在調査中である。











































○月○日 快晴

今日はとても嬉しい事がありました。
なんと、あの彼と付き合うことになりました!
お父さんが倒れてしまってから一時は死んでしまおうかと思ったりしたけれども、
彼が一緒にいるのならば、私はこれからも頑張っていけそうです。
私は今とても幸せです!



















○月△日 晴れ

今日は彼が甲子園で優勝しました!
直接応援に行くことは出来なかったけれど、
テレビの前で声援を送っていた甲斐がありました。
彼が帰ってきたら、たくさんお祝いしなくっちゃ。
早く帰ってこないかな・・・



















○月×日 曇り

今日彼が帰ってきました。
とても照れながら嬉しそうに歩いていました。
優勝報告等があって時間はかかったけれど、お祝いもすることが出来ました。
その時も彼は、照れながら幸せそうに笑っていました。
そんな彼を見ていたら、私もつられて笑ってしまいました。とても楽しかったです
今日のような日がずっと続いたら良いのにな〜



















△月○日 曇り

彼は最近お疲れ気味です。
何でも、優勝してからというもの一瞬にして彼は学校中のスターとなってしまい、質問攻めの毎日だそうです。
それに、たくさんの女の子から告白をされているそうです。
彼は「二股なんか絶対しないよ」と言ってくれました。私はとても安心しました。

でも、教室で休み時間、背の高い女の子やあの人、会長、陸上部の女の子と楽しそうに話している姿を見ると、私はちょっと妬いてしまいます。

















                

△×月□日 雨

今日彼は、テストが近く赤点は取りたくないとのことで、勉強がしたいといいました。
私が教ええあげようか、と聞いたけど彼に、
「友達と勉強するんだ」と言って断られてしまいました。
それは仕方ないと思って諦めたけれど、教室に忘れ物を取りに行った時、私は見てしまいました。
彼が女の子と二人っきりで勉強しているところを。
夜にその事を彼に問いただしたら、彼は

「三橋さんが、俺と越後に勉強を教えてくれるって言ったんだけど、越後が『勉強したくねー』って言って来なかったから、二人で勉強してたんだよ。」

っと教えてくれました。
それが本当かどうかはわかりません。でも私は彼を信じます。



















○×月△日 快晴

最近彼と会うことがなかなか出来ません。
休み時間彼に話しかけようとするけれど、いつも彼は女の子たちと楽しそうに話しています。いつもの様に、あの人と神条さん、大江さん、天月さん等と。
それに、放課後は二人っきりで三橋さんに勉強を教わっています。
私と会えるのはそれが終わっていてからです。私は思いました、きっと彼女たちも彼のことが好きなのだと。でも彼はとても鈍感だからそれに気づかない。それに私と付き合っていること位、きっと知っているだろう。特にあの人は。
私は負けない、絶対に彼を離したりはしない。どんなことをしてでも・・・



















□月○日 雪

今日はっきりしました。彼女たちはやはり彼のことを狙っていました。
そして彼はあの5人に告白されました。
私は影から、彼がしっかりと断ってくれることを願いました。でも彼は「待ってほしい」としか言いませんでした。














□月□日 曇り

彼が、放課後私に「少しの間会うのをやめよう」と言ってきました。
私は悲しみと同時に、悔しくて悔しくて、何かどす黒い感情が芽生えました。
私たちを邪魔するものは許さない!許さない!邪魔されてたまるか!
そんな中思いました、
そうだ、私と彼との間柄を邪魔するものは・・・











消えてもらえばいいんだ























□月△日 雨
明日は勝負の日です。全ての準備をそろえました。
私の心に揺るぎはありません。絶対にあの5人を消してやる。


私と彼が永遠に一緒にいられるように・・・































□月×日 大雪  夜
























校舎三階、三年生の教室に大江和那はやってきていた。

『教室で財布を落としましたよ』

と書いてある紙を持って。

「こんな紙で知らせんで、直接言ってくれればいいのに・・・」

ブツブツ言いながら和那は電気を付け、財布を捜し始めた。





しかし3分経っても財布は見つからなかった。

「あれー?ここって書いてあるんやけどなー。誰かに拾われたんかなー。あーあ結構ペラ貯めといたんやけどなー」

っそう言って和那が諦めて立ち上がった
その時


「探し物は見つかりましたか?」
「えっ?」


グサッ グサッ グサッ


和那は喉を2回刺され、続いて心臓を刺された。彼女は悲鳴を出すことも出来なかった。

「さようなら、大江和那さん」

和那が最後に見たには天使にも似た微笑だった。























崖では天月五十鈴が物思いにふけっていた。

「・・・・」

(告白をしたが、・・・返事はどうなるのだろうか)

陸上部に所属している五十鈴にとって、ある程度早い段階で背後の気配を感じてられたら、逃げることは容易い事であっただろう。
しかし、考え込んでいる時の人間は、他の事には意識がいかないものである。
そのため五十鈴は反応に遅れてしまった。

「そんな所にいると落ちちゃいますよ?天月五十鈴さん。」
「ッ!!」

気づいた時にはもう遅く、五十鈴は奈落の底へと突き落とされた。






























三橋妙子は先生に無理を言って、図書室へとやって来ていた。

「全く、蘭ったら『白球の王子様〜。私の王子様〜。』なんて騒いじゃって、勉強に集中できなくって困っちゃう。」

彼女の日ごろの苦労が見受けられる・・・




30分後そんな静かな図書室に、珍しく人がやって来た。
妙子はビックリして顔を上げる。

「あら?あなたも勉強しに来たの。」
「はい。宿題が終わってないので。」
「そう、席はどこ使っても大丈夫だと思うわ。」

しかし、その人は妙子のほうを見ていて、なかなか座ろうとはしなかった。
それに、見た感じ勉強道具を持っているようには見えなかった。

「どうしたの?私に何か用でもあるの?」
「・・・はい。実は・・・」

そう言ってその人はその場に泣き崩れてしまった。慌てて妙子は駆け寄る。

「大丈夫?何があったの。」
「はい。あなたに死んで欲しくって。」
「えっ?今なんて言っ」

きっと彼女は何が起きたか分からないうちに息絶えてしまっただろう。
再び静かになった図書室には、二つになった妙子だけが残された・・・






















「ハァハァ・・・」

芳槻さらは校内の廊下を一人疾走していた。片手に布に巻かれた何かを持って・・・

(このままだと約束の時間に間に合わない!)

そんな時

「あれ?さらじゃないですか。ちょうど良かった、何の用なんですか?」
「えっ!何でここに」
「さらが呼んだんじゃないですか。ここで良いから話してくださいよ。」
「・・・」

さらはとても困った。ここまで計画どうりに事を運んできていたため、予想外の事態に混乱してしまったのだ。

(ここで手を下してしまうか。でもここだと少し・・・)

「どうしたんですか?さら。」
「・・・」

(ダメだ!やるしかない!)

「さらー返事してくださーい。」
「うるさい!死んでしまえ!」
「えっ!さら?キャッ」

グサッグサッグサッグサッグサッグサッ・・・・・・





















「ハァハァハァ・・・」
(無理やりすぎたか。でも・・・しょうがない)

遺体を隠し、一息ついたさらは、次の場所へと向かうべく走り出そうとした。
またもその時

「姉御ー、どこ行くのー?」
「ッ!!!」

またもや予想外だった。ナオに付いて来た桜井いつきがでてくるとは。

(何でこんな事になるの!)

「あれ?さらちゃん、姉御どこ行ったの?」

(しょうがない、恨みは無いけど・・・)

「大丈夫ですよ桜井さん。すぐに会えます。」

さらは笑みを浮かべていた。



























「不審物が見つかったという情報が入った。生徒間での混乱を避けるべく、今夜中に探し出すんだ!」

「「「はいっ!」」」

「一度は引退したけれど、このような事態になれば別問題だ。しっかり頼むぞ!」

「「「はいっ!」」」

「では、始めるんだ。」

神条紫杏は森で再び自治会長として活動していた。

(恐らく冗談だと思うが・・・万一があるからな。しっかり探さねば。)

「さてっと」
「会長どこへ?」
「私はもう引退したんだ。会長と呼ぶな。」

監督生は顔をしかめたものの、言い直した。

「失礼しました。神条さんどこへ?」
「うむ。私は、校内にも無いか調べに行ってくる。」
「分かりました。では。」

(きっと私がいるとやり辛いだろう。)














紫杏は現在、生徒用玄関に来ていた。

「しかし、あの生徒何を企んでいるんだろうか・・・」

朝、彼女に情報を伝えた生徒の顔を思い浮ながら、紫杏はあるはずも無いものを探していた。










(ん?何か背後に気配を感じる)

何かを感じ取った彼女は、不意に横へと避ける。

ヒュッ

何かが空を切る音がした。紫杏は驚いて振り向く。
そこには体中に返り血を浴びた女子生徒が立っていた。

「やはり一筋縄ではいきませんね。神条さん。」
「お前は朝の、・・・・・フフッそういうことか。」

避け切れなかったのか神条の左腕と左足が、血で赤く染まっていく。
(あまり満足には動けないか・・・)

「なぜこんな事を」
「なぜだと思います?」
「・・・成績優秀な監督生への復讐か?」
「そんなつまらないものではありません。・・・あの人についてです。この前告白していましたよね。」

紫杏の顔には動揺の色が出ていた。

「何の事だ、私にはさっぱり分からない。」
「嘘です。私はしっかり見ていますよ。それとあなたは私と彼が付き合っている事を知っていますよね?」

それを聞いた紫杏は、諦めたかのように大きなため息をつき、話し始めた。

「・・・そうだ、全て貴様の言うとおりだ。それで?私をどうするつもりだ。ここまでして殺さないわけは無いだろ?」
「分かってるじゃないですか。では・・・」
「貴様が私を殺す理由は何となく分かる。どうせアイツのことを独占したいとかそこらへんだろ。だが、そんなことしてアイツは喜ぶのか?」

紫杏の足が震えているのが分かる。

「もちろんです。」
「それは違うな。貴様がやっている事、それは貴様の自己満足に過ぎん。そんなものであいつが喜ぶなんて考えられん。」
「・・・そうかもしれませんね。そう思います。」
「ではなぜそんな事をする!何のために!」
「・・・遺言はもう良いですね?では、さようなら。」

(ダメか・・・もう避けられない。)

「ふざけるなッ!」

紫杏の叫び声が校舎に木霊して消えた。





























雪の降る屋上、五十嵐光太郎は震えながらさらを待っていた。
何日か前から降り続いていた雪と雨で、屋上は一面銀世界だった。

「寒〜、さらのやつ遅いな〜。」

光太郎の帽子にも雪が積もってきている。
そして彼女はやって来た。

「ごめんなさい光太郎君。遅れてしまって。」
「なに大丈夫さ。それで何の話?」

さらからは少し血の匂いがしたが、光太郎は気にならなかった。

「実はですね光太郎君。あの・・・」
「あの?」






「私と一緒に死んで下さい!」







「えっ?何言ってんの。さら。」

光太郎の顔に緊張が走った。

「だから、私と一緒に死んで下さい。」

さすがに光太郎も分かった様で顔色が青ざめていく。

「だって光太郎君たら、その辺の変な女たちに惑わされちゃって大変なんですもの。だから私と一緒に天国でずーーっと一緒に過すんですよ。大丈夫です。光太郎君から逝かせてあげますよ。」

「ふっふざけるな!何で死ななくっちゃならないんだ!」

光太郎は私のそばから離れ、塀に背中をつける。

「では光太郎君、楽にしててくださいね。」

「いっ嫌だ!何かで俺が悪かったなら誤る!だから考え直せ、な?」

「怖がらないで下さい。今楽になりますよ・・・」

「誰か助けろよ!オイ!誰か!助けてくれよ!死にたくなんか無いんだよぉーーーーーーー!!」

「うるさいですよ光太郎君。では、また会いましょう。」

「うわぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ」

























一面銀世界だった屋上は、白から赤へと変わっていった

























□月×日 大雪
全てが終わりました。とても疲れて大変だったけど、満足しています。
これでこの世に未練は無いです。

彼が待っているので私も旅立ちます。では・・・





















事件発生翌日、登校した学生により事件が発覚。男子生徒一名、女子生徒五名の遺体を発見。(行方不明一名)
屋上から飛び降りたと思われる女子生徒、芳槻さらが犯人と判明。現在重態のため、回復し次第い事情聴取を行う予定。


二日後、行方不明だった生徒を遺体で発見。死者七名
生徒の全員帰宅完了。保護者会を開催。


一週間後、学校側が廃校を決断。在校生については各自対応する見込み。


三ヵ月後、加害者の唯一の肉親、芳槻正也が自殺。


半年後、加害者の芳槻さらが目を覚ます。事情聴取をするも。「わからない。」「彼の所に行かなければ。」等の発言を繰り返すのみ。



その三日後、芳槻さら警察病院屋上から飛び降り、死亡する。
これにより捜査本部は容疑者死亡で書類送検。事件は幕を閉じる。

一年後、親切高校の解体が終了。










被害者リスト 五十音順

天月五十鈴 転落死 崖から落ちたと見られる

五十嵐光太郎 刺殺 彼のそばには加害者の靴が置いてあった。

大江和那 刺殺 争った形跡なし。

桜井いつき 絞殺  凶器は制服のリボンと見られる

神条紫杏 刺殺 刺された後助けを求めに行くも、力尽きる

高科奈桜 刺殺 無数の刺し傷から怨恨による殺害の可能性。

三橋妙子 首を切断され死亡 その他外傷無し。



芳槻さら 転落死 警察病院の屋上から飛び降りる。
     日記の内容から、恋愛がらみの犯行と見れる。詳細は現在調査中。






おわり