緑髪姉妹
羽賀
「一つだけ問おう」
「構いませんよ。ね? さら」
「ええ」
俺の目の前にいる緑髪姉妹は互いに視線を交差させて頷き合った。
つまりは俺の発言を認めたというわけだ。
それならば言わせて貰おう。俺がここ五分間胸に秘めていた思いを。
「……どうして俺は縛られてるんだぁぁぁぁっ!?」
……俺は縄できつく縛られ、教室の床に丸太よろしく転がされていた。
どうやら睡眠薬でも嗅がされたらしく、俺が目を覚ましたのは五分ほど前だった。
「聞きたいですか?」
ナオが微笑んで言った。けれど、その微笑みはいつもの無邪気な笑みではない、なんだか、こう……危ない方向に走っているというかなんというか。
とりあえず、危険。俺の第六感がそう伝えていた。
「で、できれば教えてほしいな……」
さっきの威勢はどこへやら。俺の声は震えていた。
あぁ情けない。なんて情けないんでしょう俺。
「じゃあ、ヒントをあげます」
さらが縄で縛られ身動きの取れない俺に覆いかぶさるようにして顔を近づけてきた。
さらの吐息が顔にかかる。これは色々と危ない。主に俺の理性が。
あぁそうか。俺が獣にならないように縄で縛ってくれてるのか。いや、なんか違うだろ。根本的に。
「……イイコトするんですよ、祐一くん」
さらが俺の耳元で呟く。そのおかげで柔らかな吐息が俺の耳にかかった。
体全体が痺れる様な感覚にとらわれる。ああ、そうか、これが快感か。
「い、イイコトって……?」
体を駆け巡る優しい快感に身を預けつつ、俺は訊いた。っていうか理性がホントにやばいんだけど。
「まぁ……祐一君が考えてる事とほとんど同じだと思いますよ?」
いつの間にか身を屈め、俺の顔を覗き込んでいたナオが言う。
その言葉を聞いて、俺は唾を飲み込んだ。喉が鳴る。
いまや心臓はデッドヒート真っ最中だ。そろそろ過労で倒れるかもしれないってくらい、バクバク言ってる。
「……ねぇ、祐一君……。何考えてます?」
蕩けるような声を出すさら。視線をさらに戻すと、何故だか制服が肌蹴ていた。……いや、むしろ予想通りだ。
胸もとのリボンがほどけて三番目くらいまでボタンが外された純白のブラウスの下には、さららしくあまり強調しない色の下着が見えた。
教育上よろしくない。非常によろしくない。
「っ……!」
思わず息を呑む。
「ふふ。興奮しちゃいました……? わたしは興奮してますけど……」
「いや、あの、さら……。とりあえずしっかり服を着よう、な?」
顔を赤らめてよくわからん事を口走るさらをあわてて宥めにかかる俺。
一体何があったんだ? あんな純朴なさらに。原因は一つしかないが。
「あれ? 止めちゃって良いんですか、祐一君。本当はもう少し見たいんじゃないですか?」
ナオ(原因とも言う)がくすり、と笑いながら言った。見たいというのはあるけど、そんな事言ってる場合じゃないと思う。
俺はだんまりを決め込み、さらから目を逸らした。
「はぁ……。強情ですよね、祐一君。もう少し若さゆえの劣情に身をまかせても良いんじゃないですか?」
「それはお前の台詞じゃない」
「何のことですか? まあ、いいです。強硬手段で行っちゃいます!」
ナオがニコニコと清々しい笑顔で俺に近づいてくる。
俺は逃げようともがくが、手足が縛られている+横倒しにされているので身動き取れない。
「ご開帳〜!」
「意味が違うッ!。いやまてそういう問題じゃないッ! おいっ、ベルトに手を掛けるな! 何が目的だっ! ……って目的は一つしかないよな畜生! 止めろ、ズボンを下ろすなっ!」
結局、抵抗空しくナオによって俺はズボンを下ろされた。
「な〜んだ。やっぱり上だけ優等生ぶってても下は正直ですよ?」
「……っ」
テントを形作る俺のモノ。ナオはそれを指で突きつつ、妖艶に笑った。
思わず声を漏らしてしまう。
「あっ、ずるい」
さらが駆け寄ってくる。制服は肌蹴たままで。
それを見て俺は下半身に血液が送られるのを感じた。
ナオがニヤニヤ笑っているのが見える。
「あ、おっきくなった。……ふふ、我慢しないほうがいいですよー? 溜まってるんでしょ?」
上目遣いでナオが言った。
血液が俺のモノへと向かっていく。
「……イイコトしましょうね、祐一くん」
「さら、違うよ。気持ち良いコトだよ」
……俺は今日、大人の階段を登るのだろうか。興奮冷めやらない頭でそう思った。