Blond of first love
ニシキゴイ
――上を見たまま、意識が冴える。布団の中なのに、眠くならない。時計を見てあせる。早く寝なきゃと思っても、意識はまた別のことへ。
――するべきか、しないべきか。するとなるとハイリスクハイリターンである。自分がそのリスクに耐え切れるかどうか……
――ではしないべきか。それならずっと現状維持だ。悪くない。しかしハイリターンを求める自分も確かにいる。それどころか、その思いは日に日に強く――
チュンチュンと鳥の鳴き声が聞こえる。視界がほんのり明るくなる。
布団の中でため息をついた。観念して起き上がる。
流れるような金髪が朝日できらめく。顔は――少女の顔というべきか、女性らしい顔というべきか……。そう、高校生らしい顔だ。
名前は冬子。どこにでもいる、ちょっぴり、いやはやだいぶウブな、恋する女子高生。
トントントン、と規則正しい音がする。冬子は小さなあくびをしながら階段を降り台所へ。高校に入っても弁当は作ってもらっていた。すこし気恥ずかしいけど、あの味にはかえられない。
「おはよう、お母様。今日も悪いわね」
「なに言ってるのよ、冬子ちゃん。こんなのは母としての義務よ」
「……ちゃんづけはやめてください」
ウフフッと母・よしこが笑う。それはとても無邪気な笑みで、顔の童顔さからもまったく年齢が読み取れない。自分ら五人を産んだにもかかわらず、ボディーラインはいまだ完璧……ため息が出る。
「ほかのお姉さま達は?まだ寝てるの?」
「そうよ、お寝坊さんなんだから。あ、春継ちゃんは起こしちゃダメよ。寝顔かわいいから見てきたら?」
「そう毎日毎日見なくてもいいわ。もう、生まれたばっかりでもないのに」
といっても、冬子が春継が好きなのは事実だった。やっと末っ子から解放されたというのもあるだろうが。
着替えてくるわ、とひとこと言って階段を引き返していく。こう、たわいもない話をしているとあのことについて考えなくてすむ。冬子は少し上機嫌で着替え始めた。
――春のさわやかさの中に少し夏の暑さが混ざってきたと感じる、教室のなか。窓際なのをいいことに、カラッと晴れた青空を見つめる。考えるのは……当然彼のこと。
――恋愛なんてしたことがなかった。だからこの感情が恋だと気づくのに時間がかかった。当然、どうすべきかわからなかった。
――呼び出して告白するか、と考えてすぐさま一刀両断。ただでさえ、彼の前では気恥ずかしくて冷たくあたってしまうのだ。そんなコトできるわけがない。ではどうするか。
ハァ……、と本日何度目かのため息。なんだか少し胸が重い。
――これが憂鬱なのね……。はじめて知ったわ。
恋は乙女を詩人にする。自分の名前を呼ぶ声が聞こえる。彼が呼んでるならいいのに、と思った。
間髪入れずに、チョークが飛んできた。
「ただいま……」
冬子が重い声で帰宅を告げる。あの後もボーっとしてしまい散々だった。今までこんなことはなかったのに……。認めたくないが、恋わずらいだ。
もうそろそろ、このままではいられないのかしら……。冬子はそう冷静に自己分析し――したつもりで――ため息をついて、家の中へと進んだ。すると台所から母の声。
「冬子ちゃんおかえり〜〜!」
「だからちゃん付けはやめてって言ってるでしょう……」
冬子が台所に入ってくる。反撃も朝ほど元気がない。フラフラと入ってくるとカバンを机の上に放り出し、椅子に崩れ落ちる。よしこもヤレヤレといった様子で席に着いた。
「どうしたの冬子ちゃん?最近元気ないみたいだけど?」
「そ、そうかしら……?」
目をそらしてごまかす冬子。そんな様子をジト目で――そしてどこかおもしろそうな目で見るよしこ。
「まあ別にいいけれど……。そうだ冬子ちゃん。紅茶飲みたくない?」
冬子は急な質問に少しあせる。早く部屋に戻って休憩したいのと紅茶を天秤にかける。紅茶が重い。実は彼女は紅茶党。
「え〜と、ではいただこうかしら」
そのとき――よしこの目が光った…………
「じゃあ、ほかの子たちにも持っててちょうだい。もちろん一人ずつね?」
二人分のマグカップを持って慎重に階段を上る。まだセーラー服の冬子は紅茶の香りに気分が高鳴り、鼻歌を歌いながら上って行く。
はじめは長女・リンのもとへ持っていく。ほかの二人にも届けなければならないが、冬子もその分紅茶を味わえるので快く引き受けた。いやはや熱心な紅茶党である。
姉のリンの仕事は……よくわからない。探偵とか言っていたが、それはないだろうと冬子はおもっている。いずれにしても夜の仕事なようで、彼女はたいていこの時間は部屋にこもっている。
部屋の前に着いた。冬子がコンコンとノックをする。別に姉のためではない。以前、姉が着替え中のを見て尋常ではないショックを受けたのである。
「リンお姉さま。紅茶をお持ちしました」
冬子はリンに対しては敬語である。ほかにも次女・ヘルガにたいしてもそうだが、三女・ソムシーにはそうではない。人望の違いである。
「はいはい……なによもう。こんなはやくから……」
「もう夕方ですわよ……。紅茶を持ってきましたわ」
寝ぼけ眼のリンに紅茶を渡して、部屋に入る。リンは軽くカップに口をつけた。冬子は部屋を見渡す。
「相変わらず何もありませんわね……。リンお姉さまももう少しお部屋の模様というのをお気にしたほうがよろしいのではありませんか?」
ガチャンと、カップの落ちて割れる音。
「そうね……。冬子の下着の模様はどうかしら?」
えっ、と冬子が声を出す前にリンがスカートをまくりあげた。純白のパンティがさらけ出される。リンがさもおもしろそうに微笑む。顔には若干の赤みが。
「キャ……キャアアアアアア!!な、なにをするんです!?」
「あら、白ねぇ。うん、冬子らしいわ。まだ男とはしてないのかしら?」
冬子はもう若干なんてものではない。差恥にかられて真っ赤に染まっている。それこそ男が見たら襲い掛かりそうな表情だ。
「と、当然です!!わたしはまだ男性となんか――――んっ、んン!?」
いつのまにか正面に来ていたリンの舌が冬子の口に侵入していた。冬子は目を見開いた。しかしその目もすぐに恍惚とした目に変わる。口から涎が垂れて落ちる。
「んっ………はっ……ふうっ…はっ…あっ……んっ」
リンの舌が冬子の舌、歯茎、上あごをなぞる。熟したリンと初々しい冬子のいやらしくも美しい濃厚な行為。
「はっ……んっ……あぁ………ぷはっ」
「んっ……はあ……はあ……」
口づけが終わり、二人が離れる。二人の「女」が荒い息で、見つめあう。
「はあ……リン…お姉さま……どうして…こんなことを……」
「……それは…あなたが魅力的だからよ。……食べちゃいたいぐらい」
リンが近づいて冬子に手をのばす。
「っっ!!そこはだめで――んっ、やあっ、だ、だめえ!」
「あらあら、こんなに濡らしちゃって。そんなに興奮したの?」
「こ、興奮……なんてっ……あっ…してな……あっ、あん!」
リンが指を冬子に入れた。すっかりぬれた秘部は簡単にそれを受け入れた。くちゅくちゅと卑猥な音を立てる。
「気持ちよさそうね。自分でしてたの?」
「んぁっ…そんなワケない…ですわ……んんっ、はあぁっ!!あ、ああぁ!!」
リンの手の動きが早くなる。リンの顔にサディスティックな笑みが浮かんでいる。そして片手は自分の秘部へ。
「ん…冬子は本当に魅力的ね……そんな赤い顔しちゃって……ほらほら、もっと感じていいのよ」
「あん!ああんっ!…んん……ああああっ!!もう!だめですわっ!!なにか、なにか来ちゃう!!」
冬子のひざがガクガクと震える。喘ぎ声もどんどん大きくなっていく。そしてリンが、とどめのひと言。
「冬子、イっていいわよ」
「も、もうダメ!あっ、んあああああー!!」
冬子が秘部からあついものをふき出した。響くのは二人の女の喘ぎ声だけ。