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First Love

第四話 Reason




 殴られた後頭部が痛み出す。
 何で殴られたまでは分からないが、一発で気絶させられた為、相当硬い物だろう。
 殴られた部分に手を当てて、その手をもう一度見ると血は付いていなかった。
「痛ぇ〜な…」
 再び手で押さえて、起き上がって辺りを見回す。
 首に変な違和感があるのに気が付く。が、どうでもいいかのように放って置く。
 薄暗くてよく見えないが、たださっきまで居た場所とは違うという事だけは分かった。
「どこだよ、ここ…」
 何が何だかサッパリ分からない。さっきまで学校に居たはずなのに、どうしてこんな変な所にいるのかが彼には理解できなかった。
 その時、目が眩んだ。
「早く出ろ!!」
 迷彩服を着た男が無理矢理腕を掴み、テントのような所から引きずり出させる。
「テメー!何すんだよッ!!」
 掴まれた腕を振り解き、その男の胸倉を掴み、彼は顔を近づけて睨む。
「お前はただ私達に従えばいいだけだ…」
 少しも驚いたような感じを出さない男に余計に腹が立ち、元々気が短い彼は利き腕の右手で殴ろうとした。
「…殴ってもいいが、その前にお前は死ぬぞ」
 その行動を見透かしたように、全く感情の無い機械のような冷めた口調。
「言ってる意味が分からねー」
 死という単語が出てきた瞬間に右腕はピタリと止まる。
「…辺りを見てみろ」
 その言葉通りに辺りを見回すと、銃を構えた十数人の衛兵に囲まれていた。
「一応、私は少佐の地位にあるのでな。私を殺そうとする者が居ればそれなりの対処はするようになっているのだよ…。全く優秀な部下達だ」
 そう言うと、不敵に勝ち誇った笑顔を浮かべて彼にしか聞こえない位の小さな声で、離しなさいと囁く。
「クソッ…」
 銃を持った奴らに丸腰で勝てるはずも無い。舌打ちをし、手を胸倉から離した。それと同時に衛兵に掴まれて、何処かへ連れて行かれる。
「テメーの名前は…?」
「日本帝国政府軍第三部隊陸軍少佐、氷室元だ…」
 無理矢理前へと進められていくのに歯向かい、顔を男の方へと向ける。
「殺してやっから、待ってろ…」
 届いた亮一の言葉は、少佐という地位まで上り詰めた男にとって蚊が耳元で飛び交う音のようなものに過ぎなかった。
「楽しみに待ってるよ…、岡崎亮一君」
 男の殺した笑い声が、亮一の耳に付いて放れなくなった。


 海岸に臨む幾つものの倉庫の中でも一際大きい倉庫に投げ出された。
 そこにも、銃を構えた衛兵が人質のような存在になった子供を包囲するかのよう周りを囲っている。
「将太っ!!」
「亮!!」
 声の方向には、親友と呼べる間柄の男が居た。彼の名前は加藤将太。お世辞にもそんなに背は高いとは言えない、そんな容姿をした男。
 次々にクラスメイトが衛兵に連れてこられる。怯えた目をして、それぞれ近くにいる人と抱き合っている。
「何だってんだ…」
「あぁ…」
 その場に座り込む二人。
 ひんやりとする床を濡らしていく大粒の涙は止まる事を知らない。まるで、止め方自体を忘れてしまったかのように。
 二組全員がこの倉庫内に入った。
「何が始まるんだ…?」
 少し不安げな顔をする将太に、何も返答する事の出来ない亮一。
 奥の部屋から出てきたのは、女性だった。
「こんにちは〜?元気ですか〜?!」
 小さい子にむけるような嘗めた言い方に誰もが腹の虫の居所を悪くさせた。
「…あ〜あ、シカトですか。まぁ、いっか」
 高いヒールを鳴らしながら、身を反転させ、後ろにあった黒板らしきものに何かを書いていく。
 倉庫内には、白チョークが黒板に当たる音で一杯になる。
「…よしっ、出来た。ハイ皆、注目して!」
 女性は横に退き、黒板を見やすいようにする。
「これが何だか分かりますか?」
 黒板に書かれているのは、抽象的で理解し難いものだった。
「分かるはずがねーだろッ!!俺達をどうするつもりだっつーの!」
 我慢の限界を超えた将太は、女性に怒鳴る。彼女は冷めた目付きで、ヒラリと手を挙げる。それが合図となり、一斉に衛兵が将太に銃口を向ける。
「…煩いボーヤは好きじゃないの。死にたくなかったら黙ってなさい」
 もう一度彼女が手を挙げると向けられた銃口は全て下を向いた。
 初めて体験する死の実感が無性に悔しくなって、将太は拳で床を叩き、軽い地響きを起こす。
「…う〜ん、確かにこれじゃ、分かるはずも無いわね」
 黒板に描かれた図を見る。
「今から説明を始めます、一回しか言いませんのでよく聞いてください。これは、この島の見取り図です。で、今あなた達がいるのがここ」
 黒板に描かれたある一点を指す。
「この場所には絶対に入らないで下さいね、分かりましたか?」
 そう言われても何が何だかよく分からない。他の場所で何をさせられるのか。
「…では本題に入ります。今からあなた達には五日間の間、殺し合いをしてもらいます」
 全員が目を見開く。言っている意味がよく分からない。
それもそのはず、彼等は人を殺した事も、殺す事の出来る武器も手にした事が無いのだ。それなのに、殺し合いをしろと言われても曖昧な感覚でしか受け止めることが出来ない。
「理解が出来ませーん。どうしてオレがそんな事をしないといけねーんだよ?」
 入り口の方にいた新島は、説明をする彼女の所まで歩み寄り、近場で隠し持っていたサバイバルナイフを首筋に突き当てる。
「殺し合い?上等じゃねーか…、まず初めにお前を殺してやるよ」
 周りにいる衛兵が銃口を向けている事に気付いているのかいないのか分からないが、強気な態度を取る新島に、彼女は口角を吊り上げる。
「…何がおかしい」
「い〜や、何も…。だけど、ね…」
 右手で持っているナイフは彼女の左手首の衝撃で簡単に床に落ち、その後に新島が後を追うように地にひれ伏した。彼女は上に乗りながら、床に突き刺さったナイフを抜く。それを新島に見せ付けるように目の前に出す。
「私を見縊っては駄目よ…、踏んでいる場数があなたとは違いすぎるの。分かった?」
「クソッ…」
 新島から降りて、長い前髪をかき上げる。
「私を殺そうとしても無駄。逆にあなた達は死ぬ事になるからね…。新島君…」
 チラと視線を向ける。
「あなたが死ななかったのはただの私の気まぐれ。もしかしたら、死んでいたかもねぇ。それを一番に知っているのはあなたよ…?」
 書類に目を落とし、説明を始める。
「今からやる殺し合いは、クラス単位でやってもらいます。すなわち、今の段階ではクラスの皆は仲間っていう事。協力したりして、敵になっている違うクラスの人を殺して下さい。まずはそこまで。今から参加者を集います。あぁ、これって別に強制じゃないから…。やりたくない人はやらなくて結構よ?参加する者は右へ、しない者は左へ動きなさい。…ちなみに、やりたくない人はこの場で私が処刑します。その辺をよく考えてね」
 逃げ道は、選択肢は一つしか無い。生きるか、死ぬか。
 右に行くしかない。例え僅かでも希望があるなら。
 右側に行く者が殆どだった。ただ、一部を除いて。
「白井!!」
 左側に残っているのは太川雪子という女。
「何やってんだ!!さっさとコッチに来いよッ!!」
 亮一の言葉に首を縦には振らず、横に振り続ける。
 聞きたくないピンヒールの音。
「参加しないの?白井さん…」
 顔を近づけて覗き込む彼女の眼差しに驚き、肩を竦めてしまう。
「…だっ、て」
 消え入りそうな声を絞り出す。
「殺し合いなんて馬鹿げてる!ねぇ!!どうして皆はそう直ぐ言いなりになれるのよ!!おかしいでしょ?!殺し合うなんてあり得ないもの!!友達だっているんだよ…」
 泣き崩れてしまった白井の腕を掴み、その腕を引っ張り上げて立たせる。
「…そうねぇ、あなた達にだったら教えてもいいかしら?殺し合いをする理由…」
 唇に指を当てながら、ニコリと微笑む。
「えっ?」
 涙が頬を伝って、下に落ちる。
「簡単に言うと、これは政府の考えなのよ。子供は少しだけいれば充分だって、だから子供同士で戦争をさせるの。面白い発想よね〜、要らないから殺し合いをさせて生き残った者だけが日本に帰れるんだもの…。子供には、まだ家に帰れるっていう希望をチラつかせて、欲に塗れた殺し合いをさせて、その殺し合いで感情を無くさせるんだって。それで…、これから先はオフレコね。全ては政府の政策、それを承諾したあなた達の両親。つまり、あなた達は親に捨てられた存在なのよ…」
 捨てられた存在。
 その言葉がこの場にいる生徒全員に重く圧し掛かった。
「ふざけないで!!パパとママがこんな事に承諾させるはずなんか無い!!」
 泣きじゃくりながら、白井は彼女のことをたこ殴りする。
「まぁ、この話は信じても信じなくてもいいわ。一応、私は真実を言ったまで。それを真実だとそのまま受け取ってもいいし、疑い深い人は嘘だと取ってもいい…。あなた達の自由よ?」
 唖然とする、参加者に笑いかける。
「それと…」
 ずっと殴り続ける白井の首に手を掛けて、そのまま壁に叩きつける。
「痛いっ!!」
 コンクリートの鈍い音が響く。
「何すんだよっ!」
 今にも彼女に飛びつきそうな亮一を抑える将太と近くにいた女。
「お前等、アイツがどうなってもいいのかよッ?!」
 怒りもがく亮一に誰も反論はしない。
「どうするぅ?白井さん。そろそろ、時間が押してきてるのよね〜。あなたの為に時間を浪費している暇も無くなっちゃっているの。…率直に言う、参加しますか?しませんか?」
 鋭い目付きにまた泣き出す。
「白井!!さっさとコッチに来いよ!!」
 大声で呼ぶ亮一の目の前、約三十センチに弾丸が放たれる。
 それに驚き、発砲先を見れば白井の首を掴んでいない彼女の片手の方にはハンドガンが握られていた。
「さっきも言ったでしょう?私は煩い奴は嫌いなの。それに私は白井さんに聞いている、別にあなたに聞いているわけじゃないの。これは自分で決める事、勝手に口は出すな…」
 銃口は亮一の額から白井の眉間へ替わった。
「もう一度聞く。参加しますか?しませんか?三秒で答えて…」
 真っ直ぐに見据えられて、気がおかしくなったのか、彼女の手を振り解き入り口へ駆けて行く。
「開けてぇ!!開けてよぉ!!」
 扉を叩くが、鉄製の厚い扉はびくともしない。周りにいる衛兵も同情なんていうものは持ち合わせていない。
「三…」
 低い声でカウントダウンを始める。
「いやだぁぁっ!!」
「止めろよ…」
「二…」
 カウントが進むに連れて、大きくなる悲鳴。
「一…」
 拳銃の標準を白井の頭に合わせる。
「止めろよッ!!」
 亮一の言葉には耳も貸さず、トリガーを引く。
 放たれた弾は、白井の頭を貫通した。ただの肉の塊と化した物は、力無くその場に倒れ込んだ。悲鳴が連呼する。
「お終い…。それ、片付けておいて」
 彼女の一声に衛兵は動く。そして、その一声に呼び起こされた亮一は憤怒する。
「何で殺すんだよっ!!」
「亮!!」
「殺す意味はあんのかよっ!!」
 抑えている二人はもの凄い力で振り解こうとする亮一の力に飛ばされそうになる。
 その様子を見る彼女は、一つ溜息を付く。
「意味があるから殺すんでしょ?意味が無いなら殺しませんよ?たとえ、私でもね…」
「その意味は何だよっ!!」
「あなた達には存在する意味は無いの。どうせ、ここで死ぬ運命を辿る者の方が多いだけ。しかも、白井さんは殺し合いに参加しないと言った。そんな邪魔な存在を背負って戦えるほどの器量を殺し合いもした事の無いあなた達が出来ると思って?…私はあなた達に引導を渡してやっただけ」
「ふざけんなっ!!」
「ふざけてないわ、これが私の仕事だもの。あなた達の手助けをしたのに、酷い言い草ね」
 肩で笑う彼女を見て亮一は、認めたくなかった殺し合いを認めてしまった。
 彼女の笑う姿の後ろに何かが見えたから。
「もう、いいかしら?岡崎君」
 黙りこくる亮一。
「では、頑張って殺し合って生き残ってください。勿論、最後まで生き残った人は日本に帰れます。では、ここまでで質問は?」
 手を挙げるのは将太だった。
「…要は、他クラスの奴らを殺せばいいんだよな?」
「そうよ」
「それと、武器はもらえるのか?」
「開始と共に渡すわ、弾とかはここから離れた所で」
 他には?という彼女の声。誰も手を挙げない為、質問は無いようだと判断する。
「これから、この二組の拠点の場所まで送ります。その間にはアイマスクをして下さい。もしかしたら、途中で他のクラスの拠点を知ってしまう可能性もありますので。拠点に着いたら、放送が入るまでそのままで待って下さい。その放送がスタートを意味します。では、順にこのデイバッグを持って外に出て下さい」
 衛兵からそれぞれバッグを渡される。
「最期に私から。この戦いに背を向ければ死が待っている、あなた達にはもう失う物なんてないのよ。死ぬんじゃない、生き延びなさい!………以上」
 何かに背中を押されるようにして、開いた扉から出て行く。
 全員が外に出終わり倉庫内が静かになる。
「健闘を祈るわよ…、一年二組の皆さん…」
 静かに、誰にも聞こえない位の声で呟いた。


 アイマスクをして、トラックに乗り込んだ。
 真っ暗な闇の中。
 逃げられない現実。
 恐怖が身体を支配していく。
 皆、同じ思いを胸に抱いている。
 ふざけた音楽が大音量で鳴り始めた。
『聞こえますか〜?明光高等学校の一年生の皆さん〜!これから、あなた方には殺し合いをしてもらいます〜!頑張って下さいね〜!以上!!ゲームスタート!!』
「アイマスクを取って、降りろ」
 衛兵が拠点に着いたことを知らせる。
 言われた通りにアイマスクを取り、トラックから降りる。
 そこは、古い廃墟となったアパートのような場所だった。
「銃弾はあの中にある。武器は置いていく。それと、これが無線機だ。食料や水は各自が持っているデイバッグに入っている。では、健闘を祈る」
 敬礼をし、見張りとして付いてきた衛兵は颯爽とトラックに乗り、来た道を戻っていく。
 無線機を耳に付け、武器を持って廃墟に向かう。
「死にたくないな…」
「そうだな…」
 訳が分からない事になってしまったもんだと、改めて自分の運の無さに嫌気が差す。
 廃墟は結構広々としている。入って直ぐの所に、弾などが山積みになっていた。
 それを、各自が装填していく。まるで、最初から使い方を知っているかのように。
 その時、無線に何かが繋がったような音が聞こえる。
『再び、教官です。さっき別れたばかりだけどね。この戦いには私達教官も参加する事になっているの。と言っても無線機からの命令ぐらいだけど。まぁ、他のクラスの教官より私に当たった二組は運がいいわね。他の教官はやる気なんか全く無いみたいだし。じゃ、銃の使い方は分かるかしら?多分配給された物の殆どがトリガー引くだけだと思うから。…そうそう、鉄か何かの金属性の物には兆弾するから気を付けなさい。その他にもグレネードとか、マシンガンとか、刀とかがあると思うから色々使って頑張って。この辺でお別れね…』
 プツっと途切れた無線機。
「本当に始まったんだな…」
 テレビ越しにしか理解していなかった死を、こんなに近くに感じるのは初めてだった。
「人を殺すのは嫌だけど、それじゃ生き残れないし…」
「腹を括るしかない…」
 将太に言って、自分にもそう言い聞かせた。
 決められた運命なのだと、逃げることは出来ないのだと。
 静まった部屋の中で、殺し合いが本当に始まった事を頭の中に直接理解させる音が聞こえた。
 それは、銃声だった。
 しかも、この廃墟に向かって放たれているものだった。
「もう来たのかよ!!」
「早いな…、おい!!男共は応戦ぐらいしろっ!!」
 覚悟がとうに決まっている二人はマシンガンを手にし、窓から発砲する。
 しかし、まだ覚悟が決まらない者達はただその音に恐怖を覚えるだけだった。が、それ言っている暇も無いことに彼等は気付き、武器を手に取り相手を迎え撃つ体勢に入った。
 恐らく、ここに偵察に来ていて試し撃ちをした時、そこが他クラスの拠点だったのだろう。下に居る人数は大して多くはない。
 最後の一人が血を出しながら倒れた。それを見て、亮一は脱力してしまった。そして、自分の両手を見る。
『人を殺した…』
 大きく心臓が鳴る。血が痒く、生理的な吐き気がする。
 人一人の命を自分の手で奪った。自分と同じ重みの物を自分が奪った。
「亮?」
 心配そうに覗き込む将太。
「あぁ、大丈夫だ…」
 こんなのが毎日続くのか。そう思うと、気が重くなっていく。
 そんな中、この場には似つかわしくない新島の笑い声が聞こえる。
「ハッハッハッハッハ!!英雄気取りかよ?馬鹿らしい…。死ぬ奴は死ぬんだよ。それが早いか遅いかの違いだ…」
「…じゃ、俺はその中でも遅いほうにするな。早くこの歳で死んでたまるかつーの」
 予想していなかった返答に少し驚くが、直ぐに険しい表情になる。
「言ったな…」
「あぁ、言ったさ。こんな所で俺は死にたくない。ここに居る全員で帰ってみせる」
「…せいぜい頑張りなよ、岡崎君よぉ」
 頑張りな、か。
その言葉がいかに重い言葉かを身を持って知った。
「亮、これからどうする?」
 将太の一言でクラスの全員が亮一の方を見る。
「…ちょっと待てって、俺が決めるのかよ?」
 皆は黙っているが、首を縦に振る。
「止めてくれよ、俺に頼ると不幸がうつるぞ?」
「冗談にならないから…」
 半ば飽きれたように将太がツッコミを入れる。
「だって、生きて皆で帰るって岡崎君が言ったんじゃない」
 目を充血させながら、何処か遠くを見るような眼差しを向けられる。
 女の眼差し受けて、男である亮一が勝てるはずも無い。
「………じゃぁ、全員で帰れるように、全員で頑張ろう?」
「ハッキリしろよ!!」
 背中を将太に思いっ切り叩かれる。
「絶対に勝ち残ってみせる!!」
 その言葉で少しクラスメイト全員の表情が柔らかくなった。




ゲームはまだ始まったばかり
誰が死んで誰が生き延びるなんて誰も知らない
ただ、生に強く縋った者だけが死なないだけ
殺し合いという戦場
一瞬でも隙を見せれば終わり
一瞬たりとも気が抜けない
鳴り止む事の無い銃声、溢れる血、肉の塊
気が狂う奴が居ればノイローゼになる奴も出てくる
それが殺し合いの代償
多くの血が流れるその地で誰が生き残れるのだろう
永遠に許されることの無い罪を誰が背負う事になるのだろう
人生が始まったばかりのこの時期
やりたい事は山ほどあるだろうに
酷いものだ日本帝国は
その中で必ず復讐を誓う者は出てくる
仲間の死で願う

日本帝国の崩壊を…