赤月
青龍
「相手の重要部分で自爆するねぇ。
あんたはそれでいいの」
「それが作戦が成功する1番高い方法ですから。
自爆しないで成功するのが1番嬉しいですけど
成功したら、お願いがあるんです」
「何かしら」
「形だけでも私の葬式を行って下さい。
その時に西野と言う男にこれを」
「これだけやってくれてるあんたの願いだからしかたないわね
智美さんに頼んでおくわ」
浜野は手紙を渡す
「お願いします」
「芙喜子行くぞ」
白瀬は歩き出し、浜野は部屋に入る
「話は終わったん?」
部屋に入るとカズと数人の仲間が居た
「ええ」
カズは窓から外を見る
「今日は月が赤いなぁ」
「月が赤い時は、月が出たばかりか、月が沈む直前で、地面に近いところに月がある場合か、
大気中にちりや水蒸気などがある時に起こる現象よ」
「流石浜野先生。
頼りになる〜〜」
「こんな時に茶化さないでくれる」
「2つ同時に日本の重要拠点を攻めるって緊張せえへん方がおかしいわ」
「そうかしら」
「朱里も恐怖は感じるやろ?」
「余り感じないわね」
「しっかし、昔に比べると姿変ったやんな」
浜野は壊れたら新しいパーツに交換していき高校時代の面影は顔ぐらいしか残ってなかった
「今まで無茶してきたんだから。
カズも髪の毛伸びたわね」
「せやな〜
何年くらい髪の毛切ってないんやろね」
カズの髪は高校時代はショートカットだったが、現在は腰まで伸びていた
「せや。
朱里ナイフ貸して」
「はい」
ナイフを取り出しカズに渡す
「センキュー」
髪ゴムを適当にずらし肩に回しナイフで髪を切り、ゴムを中心近くにずらす
「ウチが死んで朱里が生き残ったらあいつに渡して」
浜野は受け取る
「こんなもの渡して西野君が喜ぶかしら。
…声でも聞きたい?」
「できんの?」
「今は無理かも知れないけど、この作戦が終われば会えるかもね」
カズは少し笑顔になる
「よっしゃ、少しやる気でた。
…朱里、死なんように」
2人はさっきの顔と違い戦闘用の顔に変る
「そっちこそ」
二人は部屋から出て行き別々の作戦の場所に移動する
作戦開始から1時間
カズはジャジメントグループのビルに居た
そのビルにあるサーバーを破壊するのが今回の作戦の目標である
現在は敵と遭遇しながら5階まで登っていた
ターゲットに近づくにつれカズの予想通り、敵は大群で待ち構えている
「ええがな、ええがなぎょうさんでてきたやんか」
自分の仕事は陽動をかねた敵の殲滅の為、作戦の序盤は成功していた
大勢の敵を槍で動きを牽制し左手で相手を掴むが、狙われたかのように左手を両手で掴まれる
「自爆!?」
次の瞬間爆発が起こり、窓から飛び出ばされ隣のビルの壁にぶつかる
「ちょ…5階やで
くっ!!」
重力の向きを力を使い着地の衝撃を和らげる
「さよならカズ…」
何故か親友の姿が脳裏に浮かび、次には爆発する親友が浮かんだ
能力を使い着地に成功したが、右足に力が入らず倒れる
「右足は折れとるな…」
立ち上がり、左手で壁を持とうとすると左手から痛みが走り壁づたいに座り込む
左肩は脱臼し、掴まれていた肘から指先は見るも無残な事になっていた
「こりゃ使いもんにならんな。
ん…」
壁を使い無理矢理脱臼した肩を入れようとし、嫌な音が響く
「さてどうするか…」
肩の脱臼は治したがそのまま座り動けない
「生きてるか?」
「誰や?」
顔を上げると見知らぬ男女二人組が立っていた
「敵じゃない」
「じゃあ誰なん」
「なんだろうな…簡単に言うとOBか
俺は青山、こいつは白瀬」
「あんたら何しに来たん?」
「生き残りを生かす為に」
「どういう事」
「あの人に頼まれて、作戦で大怪我をしている生き残りが居たら病院に
搬送するように言われている」
「ウチはまだ戦える」
カズは立ち上がろうとする
「無茶をするな」
カズの左手は皮膚は爛れ指は変な方向に曲がり、とても動く状況ではなかった
「まだ作戦は終わってない」
「死に行く必要は無い。
無理にでも連れて行く。
おい、芙喜子」
「はいはい」
白瀬は銃を構え次の瞬間に撃つ
「(朱里ウチはここまでや、すまんなぁ…)」
薄れゆく意識の中、親友の事を心配する
気がつくと病院の病室に寝ていた
「ここは…」
「無茶しない方がいいわよ」
椅子には青山と白瀬が座っていた
「ここは雪白傘下の病院で安全だ」
カズは起き上がろうとする
「痛…」
「言ったじゃないの。
肋骨数本と右足は骨折、左手の肘関節から指は元に戻らないみたいだから切ったみたい」
冷静に白瀬が状況を言う
「作戦はお前がいた方は判らないが、向こうは成功したが生き残りはいないそうだ」
「朱里が…うそやろ…」
今までの事が走馬灯のように思い出す
その記憶からカズは泣き崩れる
「これが現実だ。
現実を受け入れろ」
青山は冷酷に言う
「家族とか、両親とか会いたいやつは居るか?」
泣きながら名前をつぶやく
「あかつき……西野…暁…」
fin