暗闇の中で俺は目が覚めた。
周りにあるのは液体か?
目の前には一人の女が。
彼女は「培養器」と言ったのを聞こえた。
何か一生懸命取り付かれたかのように機械を弄っている。
不意に見せた悲しみの目。涙がこぼれている。
――涙?
その単語が頭を反芻する。
だが、その意味を俺は分かることはできない。
何か言おう。言わなければいけない――何を?
彼女は機械のそばにあるボタンのようなものを押した。
俺の体が泡となっていく。
何かを言おう。言わなければならない――言葉が決まった。
下半身から消えていき、やがて首にまで届きそうだ。
俺は口を開ける。記憶の中の大事な言葉を。
「ごめんね」
――そして、再び視界は闇の中へ――。
FIN
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