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 茜色の空に、美しく橙に彩られた雲が浮かんでいる。町外れの高台から見える赤い世界は、まるで一枚の絵画のように鮮やかに俺の目に映った。練習後、この景色を見て帰るのは最近の日課だった。

 景観の割に人気の少ない、穴場的なこの場所を教えてくれたのはリコだ。一緒に星空を見たり、花火を見たり、告白だってここでした。彼女との掛け替えの無い思い出の詰まったこの場所は、過酷な練習で心身ともに疲れ果てた俺をいつだって元気付けてくれる。

 ふと、人の気配を感じ後ろを振り向いた。容赦無いオレンジの光にたまらず、手で庇を作った。細めた双眸は、眩い陽光の中をゆっくりとこちらに歩いてくる少女の影を捉えていた。

「リコ――?」

 あるはずのないこと。少女は春先に、夢を探すため俺の傍から離れた。太陽の傍では、月は輝けないから――止めても無駄だと分かっていたから、快く送り出してやった筈だった。それがリコの為になるならと、自分を殺したつもりでいたのだ。

 会わないでいられるほど、強くも無いというのに――

 眩しくて、視界が霞む。さらに目を細めると、すぅ、と熱い塊が頬をなぞった。少女の顔が、にこりと笑いかけたような気がした。バカみたいにぽかんと口を開けたまま立ち尽くす俺は、どれだけ間抜けに見えるのだろうか。

 帰ってきたんだ、リコが!

 嬉しさと気恥ずかしさで、真っ赤に火照る顔を隠すように俯く。再会の言葉は何がいいだろうか、お帰り……じゃ普通すぎるか、遅ぇよ、はちょっと高圧的か? 彼女との距離が迫る。待ちに待った瞬間なのに、もう少しだけ先延ばししたいと思う自分がもどかしい。恨むべくは、再会の言葉一つ考えられないほど国語の勉強を怠っていたこのクサレ脳ミソだ。

 そして、彼女の姿が色彩を取り戻した時――俺の高揚した気分は、幻のように瞬間的に消え去った。

 リコとは似ても似つかぬ少女が、俺を怪訝な目で観察しながら通り過ぎてゆく。なんてことは無い、ただの勘違い。俺の一人相撲。一人で放心したり、涙を流す様はさぞかし奇妙だっただろう! 笑いもするさ。

 耐え難い虚無感が俺を襲う。リコはまだ帰らない。あとどれほどの日数、この光景を一人で見れば彼女は帰ってくるのだろう? 一日? 一月? 一年? あれほど美しいと思えた街並みも、今ではその哀愁に満ちたコントラストが俺に対する憐憫にしか見えない。最悪の気分だった。

「帰ろう」

 呟きが風に乗り、何処とは無しに運ばれる。そう言わないと、ここから離れられないような気がした。自転車のペダルを、強く踏み込む。いつもよりスピードを上げて、逃げるように帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 玄関を開けると、両親とばったり出会う。二人ともなにやら余所行きの格好で、今から外出でもするかのようだった。

 母さんはいつも通り、泥に塗れた俺の格好に眉に皺を寄せ、だが何故か今日はすぐに笑顔になった。

「あら、お帰り猛。早かったのね」

「ただいま。今日は、練習が早く終わったから」

「そうかそうか。練習熱心なのはいいことだな、なあ母さん」

「そうね父さん。猛はそれだけじゃないみたいですけど」

 父さんまで、ニヤニヤしながらこちらをチラチラと伺っている。正直、とても気色が悪い。それに会話の中身が意味不明だ。

 この二人に何があったかは知らないが、とてもショックなことがあったのだろうと勝手に推測することにした。例えば、父さんがリストラにあったとか。

 とにかく、玄関で家族三人が揃って話すのも変なので、さっさと家に上がることにする。靴を脱ぎ、鈍色のソックスを見たときやはり母さんは顔を顰めたが、すぐににやっと相好を崩す。嬉しくて笑っているというよりは、新しい獲物を見つけた悪戯っ子のような笑みだ。理由も分からずに笑われるのは、なんだか微妙にムカつく。

 ずかずかと家に入り込む俺の背中に、母さんの声が投げかけられる。

「猛。私たちはこれから外で食べてくるから、ちゃんと留守番してなさいよ」

「はぁ? 私たち、って俺も連れて行けよ!」

「いいや、今日はダメだ。大人しく家にいなさい。いいな」

 ちっともよくない。だが二人は俺が不満の声を上げるよりも早く、いそいそと外へ出てしまった。慌てて玄関へととんぼ返りする。両親二人だけで外食、そんな贅沢なるものか。

「おいっ、俺の飯は――」

「いいか猛。据え膳食わぬは男の恥だ! わかったな」

「何?」

 扉が閉まりきる直前、隙間から目を覗かせた父さんの言葉に、伸ばした手が止まる。

 その言葉に、如何ほどの意味があったのか。

 父さんは似合わないウインクをすると、がちゃりと大きな音を立て鍵を閉めた。

「あっ、おいっ! チクショウ、なんなんだよ一体……」

 追う気力も無く、俺は呆然とドアを見続けるしかなかった。

 据え膳食わぬは男の恥――何を言い出すんだ、あのオヤジは。

 解せない疑問を抱えながらも、体の汗を流すため一先ず風呂へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、さっぱりした。母さん、ご飯なにーっ」

 タオルで髪をわしわしと拭きながら、浴場から張り上げた大声は、無人の家屋に吸い込まれてゆく。返事は当然返ってこなかった。

 そういえばいないんだったな、と舌打ち。早弁に練習のコンボで、空腹はそろそろ絶頂を迎えそうだ。

「クソ。こんなんだったら、パンの一つでも買えばよかった……」

 着慣れた部屋着に身を包み、鞄を引き摺りながら、重い足取りで階段を上ってゆく。鞄についた泥が廊下に跳ねたが、気にすることも無く一瞥する。ささやかな復讐だ。せいぜい掃除の時に長時間放置した泥の執念を思い知ってもらうことにしよう。

 階段を上がりきり、一番手前の扉、自分の部屋に入る。そこでエネルギーが切れた俺は、糸の切れたマリオネットのようにうつ伏せにばたりと倒れた。

「あーあ、だらしないねぇ。もっとシャキッとしたら?」

「うるせー、俺は練習で疲れてるんだよ。オマケに飯も無いとくれば、倒れるしかないだろ」

「そーだよねー。あたしも何か作ってあげようかな、と思ったんだけど」

「だけど?」

「冷蔵庫に何も無かった。おばさんもそそっかしいよね」

「ぐはっ……俺に残された道は、眠ってエネルギー消費を減らすのみ、か」

「寝ないでよー、人が折角尋ねてきたのにー」

「無理。寝る。もう空腹には耐えられない」

「起きてよー」

 ゆさゆさと、体が揺するれる。だがこの程度で起きるほど、俺の根性は柔なものではない。

「ぐー、ぐー」

「ちょっと猛、わざとらしいいびき掻かないでよ」

 彼女の不満げな声が脳天に響く。ここは無視だ。

「ぐー、ぐー」

「ふーん、そういう態度とるんだぁ。そういう甲斐性の無いヤツには、こうだっ!」

 一瞬の静寂。風切り音とともに、後頭部を強かに空き缶が殴打した。

「痛ぇっ! ゼロ距離発射かよ、オイ!」

 たまらずゴロリと寝返りをうつと、彼女のしてやったりというはにかんだ顔が視界に大写しになった。

「つーか、なんでお前がいるんだよ。リコ」

「んー、真っ先に猛に会いたかったから、かな?」

「旅、終わったのか」

 涙声を悟られまいと、わざとぶっきらぼうに喋っている自分がいる。目尻からは既に、収まりきらない涙がすうと流れ落ちている。

「うん。見つけたんだ、自分の夢。聞きたい?」

「ああ」

 それは彼女も同じだ。いつもと変わらぬ、太陽のような笑顔。きらきら輝く瞳から抜き出したかのような光る涙が、ぽたぽたと俺の顔を打っている。

「猛の傍にいること。猛の隣で、猛の夢を支えるのがあたしの夢――これって、夢じゃないのかな?」

「いや……立派な、夢だと思う」

「そっか。ありがと、猛」

「ああ」

 もう、限界だった。

 弾かれるように起き上がり、目の前の少女を抱きしめる。懐かしい、柔らかな温もりを腕の中に包み込む。

「お帰り、リコ」

 この瞬間を、どれほど切望したことか。

 細い腕を俺の腰に回したリコは、待ちに待った言葉を、耳元で囁いた。

「――ただいま。猛」

 腕の中、恋焦がれるほど待ち望んだ温かさが、ここにあった。

 このまま時が止まってしまえばいいのに――使い古された言葉だが、今はそれを切実に望んだ。

 甘い香りのする髪に顔をうずめる。胸いっぱいに吸い込むと、それに反応して、俺の下半身、が――?

「――猛。なんか、当たってるんだけど」

 背筋も凍るような冷たい声。慌ててリコを解放すると、ズボンの上からでも容易に分かるほど隆起した自分のモノが晒される。刺すような冷たい視線が痛々しい。

「あんたさぁ、ロマンとか情緒とかいう言葉知らないの?」

「う、うるせぇよ。男なら誰でもこうなるんだよっ」

 下手な言い訳をしたせいか、リコの両目がさらに細くなった。俺は両手で股間を隠すと、せめて声だけは威勢よくと思い吼えたてる。

「なっ、なんだよ。あんまりジロジロ見るなよな」

「……男の子って、ホントにみんなそうなんの?」

「え!?」

 予想外の質問に思わず面食らう。リコの態度はいつもと違い、どこか物々しい。俺は照れ隠しに頬を人差し指で掻きつつ、努めて冷静に答えた。

「そ、そりゃ、溜まってればなる……な」

「ってことは、猛は今溜まってるってこと?」

 ――どうしてコイツはこんなにストレートに聞いてくるんだろうか。

「ねぇ、どうなの?」

「……はい、その通りです」

「そのままだと、どうなんの?」

「えっと――せ、切なくなる」

 我ながらなんてバカみたいな答えをしたんだろうか、言った後で盛大に後悔した。空き缶が飛んでくるか――目を閉じるも、いつまでも反応が無い。恐る恐る片目を開けると、真っ赤に頬を染めながら怒ったように唇を尖らせるリコが見えた。窓から差し込む夕焼けが、さらに彼女の姿を赤く照らしあげる。

「なぁ、何か言ってもらえないと困るんだけど」

「……」

「もしもし、リコさん?」

「……」

「おーい」

「ああ、もう、分かったわよ!」

 突然リコは自棄になったかのように叫ぶと、俺に向かってゆらゆらと詰め寄ってくる。据えられた目に、俺は思わず後ずさった。だが所詮は狭い俺の部屋、逃げるスペースも無くすぐに背中が壁に当たる。ゆっくりと距離を詰めるリコに向かって、俺は両手を突き出し待ったのサインを出した。

「お、落ち着けよリコ。何が分かったのか説明しろっ」

「そんなの説明できるわけ無いでしょ、バカ! 変態!」

「へ、変態って――うっ!」

 下腹部に電撃が走ったかのような感覚――視線を下げる、リコの細い手がズボン越しに俺のモノに触れていた。

「熱い……」

「りっ、リコっ、お前――はぅう」

 撫でるように何度も手を動かされ、口から思わず情けない声が漏れる。リコは羞恥で顔を真っ赤にしながら、それでもやはり興味があるのかズボンのチャックを勝手に弄り出した。

「あっ、おい」

「うわっ、凄い……」

 制止は声だけで腕は動かなかった。ジッパーが降りると同時に、はち切れそうなほどに膨れたモノがトランクス越しに晒される。既に先端の部分はカウパー液で小さいシミになっていた。

「漏らしたの?」

 デリカシーの無いリコの言葉、俺は少しだけナニが萎えるのを感じた。

「全然違う。これは気持ちよかったから出たものだ」

「ふーん。触るだけで、そんなに気持ちよかったの?」

「まぁな――うぁあああっ」

 トランクスの薄い布地の上から、リコの指が触れる。激しい刺激、耐え切れなくなった俺は、自分からトランクスを剥ぎ取った。今度こそ遮るものが無くなった俺のモノが、リコの眼前に無防備に晒される。リコはぽかんと口を開きながら、マジマジとそれを観察していた。

「なんか、グロいね」

「うるさい。ていうか、もうここまで来たからには最後までやってもらうからな」

 天井に向けて反り返ったナニは、今も苦しそうにピクピクと痙攣している。ゴクリと喉を鳴らすと、リコはゆっくりと俺のナニに両手を添えた。その瞬間、走る刺激にナニがびくりと震える。

「きゃっ!」

「うお……やべぇ、すぐ出そう」

「そ、そうなの? ならよかったじゃない、さっさと出しちゃいなさいよ」

「いや、できるだけ長く味わいたいから頑張って我慢してみるけどな――ををっ」

 リコの手が上下に強弱をつけて動き出す。断続的に走る快感が、射精の瞬間がそう遠くないことを知らせていた。

「凄い、硬いのね……これって、大きい方なの?」

「知るかよ、そんなの。女の胸みたいに外見じゃ分からないからな」

「わ、悪かったわねっ!」

「うあっ、り、リコっ!」

 軽口を叩いた瞬間、リコの両手に込められた力が強くなる――そこで、俺は我慢の限界を迎えた。

「え――きゃぁっ!」

 一瞬、俺のナニはびくりと硬直すると、すぐさま亀頭から溜まった白い精液が吐き出される。予期せぬタイミングだったのか、リコは正面からシャワーのように勢い良く飛び出る白濁液を浴びた。

 何度かの痙攣と放出を終え、俺は荒い呼吸のまま壁にもたれかかる。俺のモノに手を添えたまま放心していたリコは、はっと息を呑むと何を思ったのか手の圧力を唐突に強めた。

「ぎゃあああああああっ!! な、何をするっ!!」

「だってー、猛は強く握ると気持ちいいんでしょ? あたしなりのサービスよ」

「限度があるわっ! 七瀬家を途絶えさせる気か、お前は!」

「フン、いきなり変なのをかけるからいけないのよ。あーあ、髪までベトベト……」

 リコの言う通り、頭から精液を浴びたためリコは顔中ベトベトだった。手の甲で拭いながらその匂いを嗅いだり、恐る恐る舌をチロリと出して舐めてみたりと――その姿は、とても扇情的で抗い難い何かがあった。

「リコ――」

「何よ――って、キャッ!」

 不機嫌そうに振り向いたリコを、そのまま畳の上に押し倒す。仰向けになったリコを覆うように四つん這いになると、丁度顔と顔が向き合う形になった。

「た、猛……」

「言ったろ、ここまで来たら最後までやってもらうって――いいよな?」

 目線を外すリコ、お互いの心臓の鼓動が聞こえそうなほど、俺たちは二人とも緊張していた。リコはしばらく唇を結んで考え込んでいたが、やがて覚悟が出来たのか固く目を閉じると、俺の目を正面から見据えた。

「まず、キスして。頭がとろけそうになるキスを」

「そうだな。そういや、キスもまだだったっけか」

 微笑みかけて、唇を重ねる。お互い目は閉じなかった。舌を動かしリコの歯をノックすると、リコもそれに答え舌を侵入させてくる。俺たちはしばらく、そうしてお互いの口内を蹂躙し合った。夕焼けが赤く照らす室内に、ぴちゃぴちゃという淫靡な音が響く。

 口を離すと、唾液の糸が引く。

「順番、逆になっちゃったかもね」

 朱に染まった艶やかな笑顔で、リコは嬉しそうに言った。

「いいんじゃないのか、俺たちらしくて」

 出来るだけ優しい声で囁いて――俺は、ゆっくりとリコの秘部に手を伸ばした。

「あっ」

 切ない声、そこは既に思った以上に濡れていて、触れただけで水音を立てた。

 その反応をもっと聞きたくて、俺は何度もその場所を指でなぞった。

「んっ、んんっ……猛ぃ……そんなっ、ところっ……はぁんっ」

 手は秘部にあてがったまま、舌をリコの首筋に這わす。耳元にリコの熱っぽい吐息がかかり、俺の嗜虐心をさらに増長させた。

 ショーツをずらすと、膣の中に人差し指を差し込む。その瞬間、リコの体がびくりと震えた。

「はっ、はっ……ゆ、ゆびっ、入れちゃ、だめ……ぁんっ」

「本番はもうちょっと待ってろよ。さっきいたぶってくれた分、今度は俺の番だ」

 ブラウスの下から服の中に手を突っ込み、ブラジャー越しに小ぶりな胸を揉みしだく。外へ、内へ。存在を主張するように突起した乳首に触れる度、色気を帯びた悲鳴がリコの口から漏らされる。

「ああっ、そ、そこっ、いいっ、んっ、ああんっ」

「結構感度いいんだな。もしかして、ここが弱点とか?」

「そっ、そんなの……知らないわ――ひゃううっ」

 親指と人差し指で摘むと、びくりと痙攣する。言葉より体が正直だった。

 このまま遊んでるのも、面白そうなんだけど――

 リコの目はうっすらと涙を浮かべながら、何かを待つように俺を見ていた。

 俺の方も、そろそろリコに入れたいという願望が抑えきれなくなっていた。丁度いい頃合かもしれない。

 十分に濡れた秘部に俺のモノを当て、何度か往復させ愛液を潤滑油の代わりにする。

 敏感な部分にナニが触れる度、リコはきつく目を閉じ体を硬直させていた。

「じゃあ、入れるぞ……」

「う、うん」

 自然と声が強張る。ゆっくりと深呼吸をして、硬く反り返った俺のモノを膣に狙いを定めた。

「優しく、してね」

「初めてだからな――努力は、するっ!」

「はぁああああああああんっ!」

 リコの絶叫、俺は確かに何かを貫いたような感触を得ていた。締め付けがきつい。ジンと痺れる思考回路の中、俺は焦るように腰を前後に動かし始めた。

「んっ、あっ、熱いっ……それに、硬いよっ、猛の……あんっ!」

「リコの中も――すげぇ、キツいっ」

 抜ける寸前まで腰を引き、一気に刺しこむ。体のぶつかる音が、水音と混じって淫らに鳴った。

「ああっ、はっ、激しい、激しすぎるよっ、んっ、んんっ、こんなんじゃ、すぐっ、ふぅんっ」

 リコの喘ぎ声が、鼓膜の向こうでやけに遠く聞こえた。応えるように、リコの体を貪るように、さらに速く強く腰を打ちつけてゆく。気持ちよすぎて目の前がチカチカしていた。出したばかりなのに、すぐにやってくる射精感。俺はリコのくびれた腰を掴むと、ストロークの速度を限界まで速めた。

「猛、猛ぃっ、あたしっ、もっ、もうっ……ああ、あああああああああっ」

「ぐ、うっ、お、俺も――うあああっ!」

 リコが絶頂を迎えた瞬間、膣の中が俺の精を全て搾り取るようにきゅぅと締め付けられる。耐えられるはずも無く、俺は抜く暇も無く達した。

「えっ!? ちょ、ちょっと! 中で――ああっ、あつっ、熱いぃぃぃぃぃいいっ……」

「悪い……あんまり、リコの中が気持ちよかったから……」

「あっ……いっぱい、お腹の中、熱いの……」

 肩で呼吸をしながら、ゆっくりと全てを吐き出したモノを引き抜くと、中に収まりきらなかった白濁液が逆流してきた。

 大の字になって寝転がる。リコが俺の腕に頭を乗せてきた。胸へと抱き寄せると、俺はその感触だけを感じられるように目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シャワーを浴び終え、冷蔵庫の中に残っていた僅かな食材で俺たちはなんとか食事にありついた。

「変態」

 正面に座ったリコ、恨めしそうな顔で俺を見ていた。

「いや、その、もともと誘ってきたのはリコだし……」

「問答無用! 襲ってきたのは猛の方でしょ」

 それもお前じゃないか、と思ったが、ややこしくなるので猛は口には出さず、代わりに

「――こうしてると、なんか新婚夫婦みたいだな」

 と呟いた。

 何か言いたげだったリコも口をつぐむと、すぐにはにかんだような笑顔になる。

「うん、そうだね。ねぇ、猛――」

「ん?」

「責任、取ってくれるよね」

「お前の夢は俺を支えること、俺の夢はお前と一緒の道を進むこと。いくらでも取ってやるさ、二人で進む道なんだからな」

「えへへ……ありがと、猛」

 嬉しそうに微笑んで――俺たちは、再会の乾杯をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
 『片影』が暗い交わりだったのに対し、今回はほのぼのとした感じに仕立てました。
 まあ、エロでほのぼのもクソもあるか、って感じですが……。
 
 手馴れた(?)伊太郎と同じくらい猛の手際がいいのはきっとビデオで予習しているせいでしょう。
 つーか僕がそういうの書かないだけですけど。面倒だし。
 いや、入れるとこ分かんなくて焦らすとかスッゲーアリなんですけど、
 そういうの書くと早漏と相場が決まっている主人公には酷だと思うんです。
 
 普段はゴーマイウェイを突っ走ってるリコですが、
 こういう時になるとリードするのは主人公のような気がします。意外としおらしいリコ。
 しかし慣れるとやっぱりペースを掴みそうな……ううんよく分からん。
 とりあえずしょっちゅう攻守交替してそうなイメージがあります。仲がいいって素晴らしいですね。
 
 今更ながら、こんなセクハラトークができる裏は最高に最悪です。