特打ち練習を終え、鉛のように重い体を引き摺りながら宿舎の廊下を歩いてゆく。軽い調整で済ませるつもりが、ついついやり過ぎてしまった。トレーナーにマッサージをしてもらったとはいえ、疲れはまだまだしこりのような形で体の中に漠然と残っている。それぞれの部屋に戻る同僚たちに弱弱しく手を振りながら、八雲陽は自室のドアノブに手をかけ、ふと眉を顰めた。
――鍵が、かかってない?
朝、練習に出かけたときの記憶を呼び覚ます。今日は時間に余裕もあったので、慌てて掛け忘れていた、などということは恐らく無い。
耳を扉に押し当てると、何か聞き慣れない物音を微かに拾うことができた。泥棒でもいるのだろうか――身を強張らせながら、息を殺しゆっくりと扉を薄く開く。半分だけ覗いた室内、特に変わった様子は無い。陽は目を閉じ息を軽く吸い込むと、肩で戸を押しながら身を踊り込ませた。
隙無く見渡した室内――陽の視線はその一点で釘付けになった。
「あれ? 冬子さん。どうして俺の部屋に……な、何してるの?」
ベッドの上にこちらに背を向け座り込む金髪の少女、後ろ向きでも分かる前が肌蹴た衣服と、時折聞こえるくちゅくちゅという水音によって、何をしているのかを如実にイメージさせられる。後ろ手に、慌ててドアを閉めた。
「あら? 陽さんがもうひとり……」
普段の姿からは想像できない上ずった声を発しながら、冬子が振り向く。夢を見ているかのようなとろんとした瞳と赤く染まった頬に、思わず飲んだ唾の音がやけに大きく耳に届く。
も、もう一人――?
言っていることがさっぱり理解できない。混乱する思考回路の中で視線を凝らすと、股間のあたりを弄ぶ先端がテラテラと光るペンが見えた。開いた片手で自らの片乳を揉む冬子の淫らな姿に、一物がぴくりと鎌首をもたげはじめる。狂気の光を灯した瞳、それを捉えると嬉しそうに弧状に絞られた。
「す、素敵……そのチン○も挿れて頂戴……」
「えっ!? な、何を――どうしっちゃったんだよ、冬子さん」
とてもお嬢様のものとは思えぬ発言に、思わず面食らう。そんな言葉も耳に入らないのか、冬子は着衣の乱れも正すことなく立ち上がると、蜜壷からぽたぽたと汁を垂らしながらゆっくりと歩み寄ってくる。上気した顔、指についた愛液をぺろりと舐め取るその濃艶な仕草は、金縛りのように陽をその場に縫い止める。
「冬子さん――その、目」
「ふふ……かわいいわ、陽さん……んっ」
眼前まで近づいてきた冬子、色香に満ちた笑みを浮かべると、そのまま柔らかな唇を押し付けてくる。今まで、こんなに冬子が積極的だったことがあっただろうか――状況が状況だというのに、ふと場違いな考えが脳裏を掠める。口内に侵入してくる柔らかな舌が、まるで別の生き物であるかのように動き回り、こちらの舌を求めてくる。お互いの唾液を交換しあい、舌を吸われるたび、脳の奥が痺れ何も考えられなくなってゆく。
「んんっ……んふぅ……ん……」
後頭部に細い手が回される。貪るようなキス、口内に広がる甘い味に、陽は下腹部に血が集まってゆくのを感じた。
「ん……んん……ふぅ……んっ……はぁっ……」
悩ましげな吐息と共に唇が離される。二人の口を繋ぐ銀の糸が、つつと延び垂れる。陽が大きく胸を上下させながら息をついていると、テントを張りその存在を主張している一物に冬子の手が触れた。びくり、と大きく反り上がる一物に、少女は嬉しそうに微笑む。陽、げ、と小さく漏らすと慌てて股間を隠そうと両手を伸ばした。
「ちょっ、と、冬子さん!」
「あぁん、もうこんなに……素敵だわ……陽さん、陽さんのチン○……」
「いやいやいや、練習からあがったばっかで汗臭いからさっ!」
「早くぅ……早く頂戴……」
陽の手を払い除け、白く細い指が器用にジッパーを開き一物を取り出す。すっかり充血し天を指す男根を、冬子はうっとりとした瞳で見つめると、その先端をぱくりと口に含んだ。
「う、ぐっ」
「んっ、ふぅ、ふぅっ……ん……」
唇をすぼめ、ゆっくりと顔を上下に動かす。どこでそんなテクニックを覚えたのか、時折舌先が裏筋からカリ首にかけてを小刻みにくすぐってくる。そのたびに顔を歪める陽を見、冬子は恍惚とした表情でおしゃぶりを続ける。
「ふっ……ふぅっ……んんん……っ」
くぐもった声と、一物をねぶるじゅぷじゅぷという音が決して広くない室内に響く。それに、冬子の自らの陰部をいじる水音が雑じり、淫猥なハーモニーとなって頭の中を真っ白にしてゆく。
「ぷは……ん……陽さんのチン○、すごく熱いわ……それに、手の中でビクビク動いて……いやらしいわ……」
「それは、どっちの――っ!」
金髪を必死に押さえつける両手にも力が入らない。冬子の好きなようにされるがままの陽が、ふと部屋の片隅に視線を向けると、半開きになった机の引き出しと、幸せ草を入れていた袋が放置してあるのが見えた。
まさか、あれを――?
冬子には、陽の部屋へ突然訪れ勝手に掃除を始めるという、陽にとっては感謝半分迷惑半分の習慣があった。もしかしたら今日も、その最中にあの薬を見つけて、興味本位で飲んでしまったのではないだろうか――限りなく真実に近いであろう憶測が浮かび上がる。もちろんそれが分かったところで、現状の打開には何一つ役立たないのだが。
「――っ、ぐぅ」
「はぁん……臭いもすごくて……何も考えられなくなりそうだわ……」
ヌメヌメとした舌が陰茎を下から上へと舐め上げてくる。唾液とカウパー液とで濡れそぼち、赤黒く怒張した一物を丹念に刺激し続けながら、冬子は切なげな声を漏らす。
「んふぅ……早く、早く陽さんの精液ぃ……いっぱい、頂戴……熱くてドロドロの、欲しいのぉ……」
「うぁ……はぁ、はぁっ」
そのタイミングを急かすように、チロチロと冬子の舌が小刻みに動く。子猫か子犬のようなその仕草は、陽を限界に達させるには十分すぎるものだった。
「で、出る――っ」
「ふぁ、んっ、んんんんっ」
脱力感と交換するように、溜まっていた精を放ってゆく。不意を突かれたのか、最初その様子を呆けた表情で見ていた冬子は、急いで射精を続ける一物を口に含むと、口をすぼめその作業を助長しはじめる。
最後の放出を終えると、陽は荒々しい呼吸のままゆっくりとその場にへたりこむ。目の前では、明らかにいつもの様子とは異なる金髪の少女が、最初の射精で顔や髪についた白濁液を指ですくってはいとおしそうに口に運んでいた。
「んん……ふぁぁ、精液ぃ、すごい臭い……もったいないわ……はぁ……」
どうやら、まだ正気には戻っていないらしい。
ボタンを全て外されたシャツは左右に開き、そこから見える透き通るような白い肌には微かに汗が浮いていて、酷く艶かしい。
普段の冬子は、こういった行為にはあまり積極的でない。持ち前のプライドがあるのか、はたまた痩せ型のスタイルにコンプレックスでもあるのか、陽がよほど熱心に迫りでもしない限りそうそう許してはくれないのだ(まあ、陽が半ば強引に押し切ることもあるのだが)。
その冬子が、いつもの毅然とした相貌からは想像できない淫らな姿で自分を求めているというこの状況。憂慮はもちろんあったが、興奮するなというのも難しい。現に、精を吐き出したばかりだと言うのに、既に下腹部の一物は固さを取り戻しつつあった。
「ふふ……まだ元気そうね。素敵よ……」
そそり立つ男根を怪しく光る瞳で見つめながら、冬子は軽く唇を舐める。そして両足をM字状に開くと、何もつけていない、既に愛液で十二分に濡れている秘部を陽の目の前に見せ、手で左右に広げてヒクヒクとうごめく膣内を晒した。
「見えるでしょう? こんなになって……あなたのチン○を待ってるの……」
「う、うぅ……」
「お願い陽さぁん……挿れて……たくさん愛して欲しいのよ……」
理性を掻き消す甘い声――陽は観念したのか首を一度横に振ると、のそのそと冬子へと近づいた。
「わかった。でもとりあえず、ベッドにいこう。いいよね?」
「ええ、かまわないわ」
返事を受けて立ち上がる。が、何故か冬子は動こうとはせず、陽の服をくいと摘んだ。
「どうしたの?」
「連れてって……頂戴」
「は――それって、抱っこしろってこと?」
こくりと頷く。これも、幸せ草の効果なのだろうか。あまりにも強烈な影響に戸惑いながらも、陽は言われるままに冬子の膝の裏と背に腕を回し、その細身を軽々と持ち上げる。幼児のように頬を緩ませた少女は陽の首に両腕をかけると、そのまま顔を近づけ唇を重ねてきた。
「ん……むぅ……ぅん……」
ちゅぷ、ちゅぷと、お互いの口内を味わいあう。既に理性やどこかに消え去り、今はただ冬子を愛したいという思いだけが脳を支配していた。
ベッドまでの短い蜜月が終わりを迎えると、冬子は名残惜しそうな表情で唇を離す。陽は苦笑を漏らしながら、ゆっくりとその身をベッドに横たえさせた。
「力抜いてて、冬子さん」
お互いの性器はもう十分過ぎるほど濡れている。前戯は必要ないと判断した陽は、仰向けに寝る冬子の膣に男根をあてがうと一気に埋没させた。
「やっ、はぁぁぁぁんっ!!」
だらしなく舌を伸ばした少女の快楽の悲鳴が飛ぶ。蕩けるように熱い感覚に軽い眩暈を覚えつつ、陽は冬子に訊ねた。
「大丈夫? 痛くない?」
「ぁん……大丈夫……ですから、動いてぇ、陽さぁん……」
いつもならば、挿れる際どれだけ滑りを良くしていても痛がるのに、冬子の相貌に苦痛の色は無い。それどころか、自分の方から僅かに腰を動かし快楽を引き出そうとしている。
この効能だけ抽出できないだろうか――などと考えつつ、陽は少しずつ一物を動かし始めた。
「あん……ああっ、動いてる、陽さんのチン○、わたしの中で動いてりゅっ」
一突きごとに嬌声が耳朶を打つ。可憐なお嬢様が快楽に踊り狂い卑猥な言葉を口にする様は、陽の興奮をこれでもかとばかりに煽る。細い腰を両腕で抱きかかえると、深く深くへと己の分身を突き刺してゆく。
「はぁっ、はああっ、奥ぅ……奥にぃ、ゴリゴリってあたってるのぉ……」
冬子の声と連動するように、狭い膣がキュッキュッと締まる。小さく呻き声を漏らしつつ、陽は控えめに揺れる双丘へと手を伸ばし感触を楽しむように揉みしだく。固く立った桃色の突起を摘むと、一際高い悲鳴があがった。
「やぁっ、いいのっ、ちくびぃ、もっとしてぇ、陽さぁんっ」
「ホントに……夢でも見てるみたいだぜ……っ」
「ああっ、あっ、あっ、んっ、はぁぁ……もっとぉ、もっと激しく突いて欲しいのぉ……」
「冬子さん――冬子さんっ」
「陽さん、陽さぁん……んっ、ふぅぅん、んんんんっ」
だらしなく冬子の口の端から零れる涎を舐めとりながら口付けを交わす。ほっそりとした足が腰に、手が首に絡みついてくる。
「やぁぁ、あたまぁ、おかしくっ……くぅう、おかしくなりそうっ……」
「こっちのセリフだよ、それは……ぐぅっ」
「あぅぅ、あっ、やっ、はぁっ、ああっ、陽さん、きもちぃぃ、やぁっ、きもちいいのぉ……」
視界一杯に広がる、快楽に蕩ける冬子の表情。高まる射精感を察すると、陽は杭をぶち込むかのように強いストロークで腰を突き動かした。
「はぁっ、ああっ、あぁんっ、陽さん、わらひっ、もっ、もうっ、ダメっ、ああっ、ふぁぁっ、くぅぅぅっ」
「うぅっ、い、イくのかっ」
「あんっ、あぁん……イく、イっちゃう……陽さん、わらしぃ、イっちゃうぅ……いやぁ、はぁっ、ああっ、やぁああああああああああああっ!!」
「うぁ――出すぞ、出すぞ冬子さんっ」
エクスタシーに達し急激に締め上げられる膣内――刺激に耐えられなくなった陽は、思い切り放てるだけの精を冬子の中へと吐き出した。
「はぁ、はぁ、はぁ……あぁん……熱いのが、たくさん……素敵……」
疲れたように、だが嬉しそうに目を細める冬子。陽はその唇に今度は自分からキスを求めると、そのまま少女の横へと倒れこんだ。
「――冬子さん?」
気がつけば、金髪の少女は自分の腕を枕にしながらすやすやと小さな寝息を立てていた。先程までとは打って変わって安らかなその寝顔に陽は軽く微笑みをつくると、起こさぬように注意を払いながら優しく金色の髪を梳く。
そういえば、こんな風にするのも久しぶりだったな――。
遠征が続いていたため、思い返してみれば顔を合わせるのもかなり久々になる。陽の耳に、遠征先の電話越しに聞こえた冬子の声が蘇る。口調こそいつも通り気丈なものだったが、もしかしたら内心はとても寂しかったのかもしれない。
会いたいという、愛し合いたいという口に出すことの難しい願いを、このような形で叶えさせることになってしまったのなら。
「――ごめんな、冬子さん」
「んん……陽さん……」
頬を撫でた。一瞬起きてしまったのかと驚くも、どうやらただの寝言らしく、小さな身じろぎのあと何事もなかったかのように陽の腕に頭を任せてくる。
陽は一つ、大きく息を吐くと、ふっと口元を綻ばせた。そろそろ腕が痺れてきたが、冬子への償いを考えればこの程度で泣き言など言ってはいられない。
薬の記憶は残るのだろうかと、ふと思う。
だが、もし残っていてもいなかったとしても、彼女が起きてから最初にすることは決まっている。
「陽さん……?」
薄目を開けた、金髪の少女へ。
何よりも優しい口付けを――まず、はじめに。
最後はキスで終われルール発動! ロマンだね!
ということでエロお嬢でしたー。なんというか、また一つ壁を踏破したような……。
ご存知の方はいらっしゃると思いますが、この話はかの企画の続き話になっております。
あの案を出した頃からずっと考えていたネタだったので、出せて一段落といったところですね!
もちろんその間にもまた新たなネタは積もるわけですが。
僕は思うんだ……エロ心というのは、雪のようなものなんじゃないかなってね……
(↑松○健ボイスで再生すること)
エロお嬢ということで、普段なら言わなさそうなセリフや言葉に結構挑戦してみました。
当初の目的はSお嬢だったのですが、そのせいでどんどんただのエロお嬢へと急降下。
ただ恐らく、今後お嬢エロではこんなセリフ回しになることはないと思われるので、
そういった意味では結果オーライ……なのか!?
しかしこの幸せ草の効能は斬新すぎるんじゃなかろうか。
僕の脳味噌ってもしかしたら凄いのかもしれない! もちろん全力でダメな方向に!
それではまた次回までサヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。
宇宙お嬢かその他のキャラでお会いしましょう。