ぴちゃぴちゃと、淫行の響きが室内を支配していた。
日もとうに落ちているというのに、明かりをつける様子は無い。ソファに座る九堂伊太郎と、メイドの衣装で彼に奉仕を続ける夏目准には、それは大した問題ではなかった。
一物をしゃぶっている時の火照った顔は、彼には見られない方が恥ずかしくなくて都合がいい。伊太郎も特に気に留めないのか、腹の下で一心に顔を前後に動かす准の頭を撫でたまま、どこか遠い目で暗渠を見つめていた。
准の咥内を、伊太郎の男根が満たす。生暖かい感触がそれを包み、伊太郎は苦しげに溜息を吐いた。それを聞き、准は咥えたまま扇情的な目で見上げた。口から、男根を離す。銀の糸のような唾液が、つぅと垂れた。
「気持ちいいですか? ご主人様」
「ああ……准の口は、最高だ」
「ありがとうございます、ご主人様」
再び、准の口が伊太郎の男根を包む。亀頭をざらつく舌が舐め上げる度に、快感の波が背筋を走る。時折、確認するように目線を上げる准の姿が酷く卑猥で淫靡に見えた。
「ん……んぐ……んふっ……」
可愛らしい小さな口に、男のそれが出入りする。伊太郎の息が荒くなる音を聞いた准は、雁首をきつく吸い刺激を強める。呻き声が、男の口から漏れた。男根から口を離し、艶やかに微笑む。
「私の中で、出しちゃってください。ご主人様」
それが合図だった。伊太郎は乱暴に小さな頭を掴むと、ソファから立ち上がる。准に自らのそれを咥えさせると、勢い良く腰を動かし始めた。唾液が、白い泡となって准の口から漏れる。
苦しそうに目を瞑りながらも、腰に手を回してくる足元のメイドが愛おしくて、伊太郎はさらに奥まで男根を押し込んだ。亀頭が、小さな咥内を蹂躙する。限界が近付いていた。
「そろそろ、出すぞ」
准はそれに笑顔で答えると、腰に回した手に力を入れた。雁首が何度も喉の奥を叩き、そしてその動きが止まった。密接した准の口に、精が吐き出される。
伊太郎は准の後頭部を持つと、それが収まるまで自分へと押さえつけた。幾度と無く、白濁液が准の喉を打つ度に、可愛らしい喉がこくりと鳴った。
やがて全てを吐き出すと、力が抜けたようにベッドへと倒れこむ。全て飲み終えた准は、唾液と精液で汚れた口を拭うと、艶麗とした笑みを伊太郎に向けた。
「どうでしたか? ご主人様ぁ」
「ん……凄く、良かった」
「それじゃあ今度はぁ、私を気持ちよくしてください♪」
スカートを捲くり、何も穿いていない秘部を外気に晒す。既に十分濡れているそこから、彼女の愛液が、とろりと垂れた。
伊太郎が身を起こし、腕を広げる。准はその中に身を委ねると、幸せそうに屈強な胸板に顔を埋めた。
「こんなに濡らして……准は淫乱メイドだな、全く」
「それは、ご主人様が激しくしたからですよぉ……ご主人様の、えっち」
思考を止めさせる、准の艶かしい声。一物がさらにいきり立つ。
「じゃあ入れますよぉ、ご主人様ぁ」
准の腰が、ゆっくりと落ちる。仰向けに見る准のそこは、ぬらぬらと淫猥な光を放っていた。一物が准の中に入る瞬間、華奢な体が強張った。伊太郎は准の手を取ると、優しく両手で包んだ。くびれた腰がすっと降り、男根が咥内とはまた違った温かさに包まれた。
准の喘ぎ声が、室内に響く。
「あ、はっ……ご主人様の、大きい、です……」
「誰かと、比較したことでもあるのか?」
ひねた質問に、准は困ったように微笑んだ。
「あるわけないじゃないですか……ご主人様、どっちが――ひゃっ!? あっ……ああっ」
伊太郎はその答えに満足したのか、突然腰を動かし准を突いた。甘美な響きが脳髄に絡みつき、嗜虐心を煽る。準備運動なんて、必要なかった。本能のままに腰を突き動かす度に、頭の奥が痺れた。
「あっ、あっ、ああんっ……凄い、ですっ、ご主人さまっ……やっ、やぁんっ……」
「准、准っ……お前もっ、凄い締め付けだ……」
気を抜けば、すぐにでも絶頂に達してしまいそうな准の膣内を弄る。ベッドスタイルにしたソファのスプリングが、准の跳ねるタイミングに合わせて悲鳴を上げた。
伊太郎は乱暴にメイド服の胸元をはだけさせると、小刻みに揺れる白い乳房を揉みしだいた。手にフィットする大きさのそれは、まるで自分専用のものに思えて欲望を掻き立てた。
「はああああっ、ごっ、ご主人さまのっ……もっと……大きくなってっ……私の中でぇっ、暴れてますぅっ!!」
「ぐっ……と、とろけそう、だ……」
お互いの体が触れ合うたびに、准の奥まで雁首が届き、快感を引き立てる。一回のストロークごとに、視界が白く反転し、弾けた。頭の中が真っ白になり、准以外のものが見えなくなってゆく。腰を掴み、さらに深くへと自身を沈めた。
「あああああっ、だめっ、ダメですぅ、ご主人様っ!!」
准が自分の上で跳ねる。悲鳴に似た、悦びの声が耳朶を打つ。手を伸ばし、揺れる双丘の芯を確かめるようにこねる。甘い吐息が、准の口から漏れる。その顔、快楽のあまり目の焦点は合わず、口はだらしなく開き涎が端から垂れていた。
無性にキスがしたくなって、体を起こす。一物が体の中で動き、膣の壁を捲った。
「ああ、ああんっ……ごっ、ご主人様ぁ……」
ねだるように甘えた言葉を吐き出す口を、伊太郎の口が塞いだ。舌と舌が絡み合い、ぴちゃぴちゃとやらしい音を奏でる。准の手が首に掛けられる。まるで離さないかのように、強く唇同士を引き付けていた。咥内を蹂躙し、愛撫するたびに准の体が震え、締め付けが強まった。
唇を離す。二人を結ぶ糸が垂れた。名残惜しそうな顔の准を寝かせると、そろそろ限界が近付いてきた男根を一気にぎりぎりまで引き抜き、奥深くまで差し込んだ。
「はっ――ぁん!! イタロー……さんっ、中で……中で、出してぇ……」
火照った顔を真っ赤にしながら、切なく懇願される。スパートとばかりにストロークを早めると、胸元をはだけさせた淫らなメイドが、魚のように跳ねた。その瞬間に、准が絶頂を迎えた。
「あっ、あっ……ああああぁぁぁっっ!!」
嵐のように押し寄せる快感の波に、准は涙目になりながら荒い息をしていた。伊太郎の耳には、獣のような自身の呼吸と、准の息遣いだけが聞こえている。
「もうっ……限界だっ、出すぞ、准、お前の中に!」
「んっ、出して……来てっ、私のっ、中にっ!」
准の言葉と同時に、伊太郎の意識が爆ぜた。背筋が張り、全身が硬直する。
「うっ……いっ、いおりぃっ!!」
そして、先程出したばかりとは思えないほど大量の精が准の膣内にぶちまけられた。
びくびくと男根が震え、その度に准の膣奥に収まらぬ白濁液が子宮を満たしてゆく。
最後の射精を終えると、伊太郎は一物を抜き准の横に倒れこんだ。体を仰向けに返すと、まだ動悸の治まらない胸の上に准が被さってきた。
「お……俺は、一体、誰の名前を……」
自分の言った言葉。絶頂の瞬間に叫んだ名前は、伊太郎の元からいなくなった思い人のものだった。火照った体が、急速に冷えていくのを感じた。
「いいよ……イタローさん……」
胸元で、准の声が聞こえる。
「いつか、私の名前を呼んでもらえるように……頑張るから……」
興奮の収まらない口調が、段々と涙声に変化してゆく。准を抱くはずの腕は、自らの顔を覆っていた。
「だから、それまで……私だけを、見て……お願い……」
胸を、熱い粒が叩く。暗渠の向こうを見る勇気は、伊太郎には無かった。
暗い室内には、准のすすり泣く声だけが響いている。
伊太郎は目を閉じると、暗闇の中に身を委ねた。
了
記念すべき第一作。父さん母さん、汚れちまったよ俺ぁ……
まだ慣れてませんからちょっと短いです。まあ導入部が無いので当たり前っちゃ当たり前なんですが。
准が主人公と結ばれることって、本作ではまずありえないと思うんですよ。
維織のことを理解しているからこそ、好きであっても主人公には手を出さない。大人です。
で、考えたルートが二つ。
1:維織がいなくなったショックで主人公の心が折れる
2:維織と三人でウッハウハ
2が良かったですか? この変態め。考えている僕もですが。
どちらにせよ、強靭な精神力を持つ9主人公は准に逃げることは無いと思うのですが。
かわいそうな子です。だからこそ人気もあるんでしょうが。
それにしても、僕はどうしてエロでもシリアスになるんだろう?
追記
なんだか表の『黄昏』でバッドエンドを望む声が多かった
(エンディングは蛇足、という声が多かった)
ので、これをバッドエンドだと思って下さっても結構です。後味悪……。