11 走る。 森を、木々の間を、走り抜ける。 ベテランと言われるようになり、歳をとってきているのは自分でも分かっていた。 それでも、走る。 そして、出会う。 「あ、お前は水木!そうだよなぁ。お前もこの島に来ていたんだよなあ・・・」 「ハァ、ハァ・・・。コーチ、悪いが世間話をする気は無いんだ。 野々村・・・そうか、コーチは知らないのか。 おさげ・・・というのか。二つのおさげの女の子を見ていないか?」 「ああ、野々村愛か・・・。俺も話だけは知ってるぞ。 ・・・・お前、あの子のこと好きだったんだってなぁ・・・?」 「・・・そんなことはどうでもいいんだ。まあ知ってるなら話は早い。 この島で、愛を見ていないか?探してるんだ・・・」 「ん・・・?いやあ、愛の力って素敵だねぇ・・・。 おっと、洒落言ってんじゃねえぞ。 まあ愛ちゃんは見てねえな。一回見てみたいとは思うけどな・・・」 「そうか、見てないか。悪かったな・・・・・」 そして、水木は斧を振り上げた。 ――――――ザシュッ・・・! 手久野 正巳の胴体を、縦に切り裂いた。 「・・・・・み・・・・・ズ・・・・・・・キ・・・・?」 水木に返り血が飛ぶ。 だが、彼はそれも気に留めない様子で、手久野のディバックを取る。 「・・・・・・・・」 そして、再び走り出す。 愛を見つけたあとどうするのか・・? そんなことはどうでも良かった。 ただ、愛を見つける。それだけ。 狂気ではなかった、だが、正気でもなかった。 金山とは違う、だがパワプロとも違う・・・・。 悲劇は、まだ続く。 【28 手久野 正巳 死亡】 【43 水木 卓 斧所持。愛を探す。】 【残り46人】