13 このゲームの参加者は50人。 そして支給される武器の数も50種類。 その中には納豆のようなハズレ武器もあれば、マシンガンのようなアタリもある。 35番 鋼 毅の持つ武器は、間違いなくアタリ武器だった。 ショットガン。 防弾チョッキでもその威力は侮れない、威力も機動性も優れる銃。 彼はそれを肩にさげ、森の中を普通に歩いていた。 本来、このゲームでただ歩くことはかなり危険な行為である。 どこから狙われるか分かりにくいうえ、反撃しにくい。 だが、彼は平然と歩いていた。もちろん、このことを考えなかったわけではない。 それは、彼の二つの目的のため。一つは大神を倒すこと。もう一つは――――― ガサッ・・・・ 突然、少し先の藪から男が出てきた。23番 竹中 昇である。 「ショットガンは強い・・・。が、近戦だと自分も巻き添えを食らう・・・・」 そう言いながら、昇はバタフライナイフを構える。 「丁度銃が欲しかったところだ・・・・!死ねぇっ・・・!」 横凪、突き、突き上げ、袈裟切り。無駄のない動きで鋼に斬りかかる。 ――――――シュッ・・・! そして、昇のナイフが鋼の服を裂いた。 「・・・・・・」 そして、二人の動きが止まる。 訪れる静寂。睨み合ったままどちらも動かない。 「一つ、聞いてもいいか・・・」 先に口を開いたのは、鋼だった。 「お前は・・・・このゲームに乗った者か?」 「ああ・・・。このゲームは俺にとって最高だ・・・。 もともと殺し屋に近かった俺がこれに出たら・・・? 決まってる。楽勝だ。 俺が、女や、高校を卒業したばかりのガキに負けると思うか? それで優勝したら1000万だ。ククク・・・・。 こんなうまい話が他にあると思うか・・・? あの馬鹿息子のガードマンでもここまで金は貯まらねえ・・・。 だから俺はゲームに乗る。これで気が済んだか・・・?」 勝ったら1000万――――これは嘘ではない。 出発前、最後に大神はこう言った。 『おお、そうだった・・・。忘れるところだった。 ただ殺し合いをするだけじゃつまらんだろう・・・・? 優勝者には私からプレゼントをしよう。 犯罪者なら・・・・・罪は取り消す。 金が欲しいなら・・・・・1000万までならやろう。 それ以上だと私のポケットマネーを超えてしまうからな・・・』 ―――――――――。 「ああ・・・・。これで気兼ねなく殺れる・・・・!」 「・・・!」 鋭いローキック。上体を起こしながら裏拳、右ストレート。 「グッ・・・・・」 昇は防戦一方になる。 ナイフを出そうにも、先制を取られたため下手には動けない。 (は、速い・・・コイツただの男ではない・・・!) 昇は考えた。 下手に守りを緩めると打撃を喰らう。 だが守るだけでは決着がつかない。 それに―――いつまでもこうはしてられない。こっちはスーツ、動きにくい・・。 だったら――――。 昇は素早いバックステップで間を取る。 (突進しながら斬りかかるのみ・・・!) ――――――しかし、彼は忘れていた。 「・・・・・終わり、だ」 鋼がショットガンを構える。突進の姿勢に入っていた昇は避けられない。 鋼が、倒れながら引き金を引いた。 昇の腕に赤い花が咲く。うずくまる昇。地に落ちる手首・・・。 そして、もう一度、引き金を引いた。 ――――――。 鋼の二つの目的。もう一つは、このゲームに乗った人を潰すこと。 装弾の終わった鋼は、足速にそこを後にした。 【23 竹中 昇 死亡】 【35 鋼 毅 ゲームに乗った人を殺す】 【残り45人】