14 37番 パワプロの幼なじみ、20番 進藤 明日香。 明日香は山小屋の中にいた。 一人ではない。29番 寺岡 薫と共に。 明日香はスタートした後、軽いめまいによりうずくまっていた。 そこに通りかかったのが、運良く寺岡だったというわけだ。 「明日香さん、もう大丈夫?コーヒー飲みますか?」 薫が訊ねる。手にはなぜかコーヒーがある。 「ええ・・・。ありがとう。でもどこにコーヒーなんてあったの?」 「この小屋ね、人が住んでいた跡があるんですよ。 開けっ放しの押し入れとか、落書きの跡とか。 だから生活用品が落ちてるんじゃないかなー、と思って家中あさってみたら やっぱりありました。普通に戸棚にしまってありました。 賞味期限も切れていないし、ガスや水道も通ってたから作ってみたんです。 ・・・・・・あんまり家事は得意じゃないんですけど」 そっとコーヒーを飲んでみる。少し薄いが、おいしい。 「あったかい・・・。ありがとう・・・。 薫さんがいなかったら私今頃・・・」 「いいんですよ、気にしなくて。 ・・・こっちも一人で不安でしたから。 それに、明日香さんの支給品は私のと併せれば最高の使い方ができますから」 明日香の支給武器はレーダー。半径30メートル以内の生きている人間を感知できる。 一方、薫の支給武器は散弾型クレイモア。5個支給され、1個は入り口に仕掛けてある。 「これがあれば相手の行動を予測できますからね! 私達に敵ナシです!」 ガッツポーズをする薫。それを見て明日香が弱々しく微笑む。 「・・・・?どうかしましたか?」 「いえ・・・。コロシアイ、の最中なのに こんなに平和なのが不思議で・・・」 少し顔を曇らせる。そして、 「・・・そして、とても怖いんです」 そう言って、またコーヒーを飲む。 「少し、疲れました・・・。 ちょっと寝てもいいですか・・・・?」 「あ、どうぞどうぞ。 その間は私が見張りをしていますから!」 「ありがとう・・・・。 それじゃ・・・少し・・・」 ――――――――。 明日香が寝た後、薫は考えをまとめようとしていた。 (このゲームに参加している人の中で唯一知っているのはパワプロ君だけ。 パワプロ君と会えばこの状況が少しでも変わるかもしれない・・。 でもここから出るのは危険だし、パワプロ君が来るとも思えない。 仮に来たとしても、こっちが気付く前にクレイモアを踏んじゃう・・・。 かといってクレイモアは解除したくないし・・・。 レーダーに名前が表示されればなぁ・・・。 とりあえずしばらくはここでジッとするしかないか。 明日香さんの意見も聞きたいし・・・・) 静かにコーヒーを飲む。とても静かな空間。 聞こえるのは、明日香の寝息だけ。 しばらくすると、それに薫の寝息も加わった。 静かな空間。来訪者の到来は、まだ遠い。 【20 進藤 明日香 睡眠中】 【29 寺岡 薫 同じく睡眠中】 【残り45人】