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(アニキはどこだ・・・?森か?町か?浜辺か・・?)

06番 奥野 次郎。

――――彼の武器はスタン・グレネード。

殺傷能力はほとんどなく、一時的に視覚と聴覚を鈍らせる。

支給量は3個。贅沢には使えない量である。

彼は16番 黒松を慕い、アニキと呼ぶ。

そして、彼はこの島では珍しく幸運だった。

「おいジロー・・・・!止まれ・・・・!」

「!その声は・・・・!」

木の陰から出てきた姿。それは―――

「あ、アニキィ・・・・探しましたよ・・・・」

16番 黒松 東児自身だった。

「その様子だとだいぶ走ったようだな・・・
 怪我とかはないのか?」

「大丈夫です。誰にも会ってませんから・・・」

「そうか・・・。ところでお前の支給武器はなんだ?」

「これです、えーと・・・そうだ、スタン・グレネード。殺傷能力は―――」

「ああ、説明はいい。大体分かっているからな。
 お前は―――まともなものを引いたようだな。
 ・・・俺はダメだった。ハズレだ」

「あ、それじゃあこのスタン、アニキにあげますよ」

そう言って、三つのスタンを渡そうとする。

「いや、三つはいらん・・・。お前の分だって必要だろう?
 一つあれば十分だ。後は自分で持っておけ」

「はぁ・・・。アニキがそう言うなら・・・」

「ああ、そうしておけ。
 ―――しばらくはここで様子見をする。
 お前はあっちを見張っていてくれ」

「分かりました。何かあったらすぐにアニキに伝えますね!」

「ああ・・・・。頼んだぞ」

そう言って黒松は反対方向を向く。そして・・・

「・・・一本吸うか?」

といってタバコを出してきた。



黒松が突然まだ長いタバコを踏みつける。そして口を開いた。
「―――いいか、ジロー。
 この島では自分の身を一番に考えろ。
 ・・・死んだら、お前の感情や夢は無くなるんだ。
 だから、この島では何があっても自分を一番に考えろ。
 そして――――生き残ってくれ」

後ろで黒松が動く。

「アニキ・・・・?どうしました・・・・?」

振り向こうとした刹那、首筋に衝撃が走った。

「ガッ・・・・ア・・・・・・ニ・・・・・・・」

奥野が倒れる。そして、黒松が自分のディパックを開ける。

「悪いな・・・・。
 お前まで巻き込むわけにはいかないんだ・・・・・。
 お前は、いい奴だからな・・・。
 俺がやると言ったら、お前もやると言って聞かないだろうな・・・。
 だが・・・、お前を死なせるわけにはいかないんだ・・・。
 だから・・・・・大人しく、ここで寝ていろ・・・。
 ――――その間に、俺がケリを付ける・・・・!」

ディパックから出てきたのは、大きなケース。

黒松はそれを開け、中にあるものを組み立ててゆく。

(どの方向にあるのかなんて見当はつかない―――)

やがて、ソレは一つの筒になる。

(だが、俺がやるしかない―――)

奥野からもらったスタンをポケットに入れる。

(大神――――)

そして、倒れている奥野に葉っぱや土をのせる。

(お前を倒せば、このゲームは終わる)

次第に奥野の身体が土で覆われてゆく。

(俺が、お前を倒す――――)

奥野の身体がほとんど見えなくなり、その作業をやめる。

そして、組み立てたソレに装弾をし、肩に担ぐ。

―――おそらくこの島の重火器の中では一番大きいであろうソレ。

―――このゲームを破壊する重要な鍵であるソレ。

ソレの名前は、ロケット・ランチャー。

【06 奥野 次郎 気絶中 体はほとんど見えない】
【16 黒松 東児 大神の居場所を探す】
【残り45人】