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三鷹 光一(45番)は一人森の中で扇子を振っていた。

―――といってもただの扇子ではない。仕込み鉄扇である。

(まさかこんなものが武器としてくるとはな・・・・
 今のうちに使い方をマスターしといた方が得策だな・・・!)

薙いだり、開いたり、仕込みナイフを出してみたり。

(・・・・やっぱり殺しとくべきだったのかなぁ・・・?)

ここに来るまでに、三鷹は気絶している男だけに出会った。

(・・・・その時は仕込みナイフのことは知らなかったけど・・・。
 ・・・・あーあ、危険分子は排除すりゃよかったなぁ・・・。
 ・・・・大体持ってる武器が棍棒だけってのもシケてるよなぁ・・・。
 ・・・・ハンサムな俺に棍棒なんか似合うかっての・・・)

―――気絶していた男の名はマコンデ。気絶から一時間。まだ生きている。



(・・・・ハッ!・・・・・・っと)

最後に突きを決め、扇子の動きを止めた。

(これくらいでいいな・・・。
 あんまりやっても疲れるだけ、
 敵が来たときに不利になるからな・・・。
 ・・・・・・・・・・・・・・。
 さて、明日香ちゃんを探しに行きますか・・・)

三鷹はモグラーズに在籍していたこともあるため、この島にいる知り合いは多い。

そして、彼には気になることが一つあった。

(37番、パワプロ・・・・・。
 これって・・・やっぱり、キャプテン・・・・・なのか・・?
 しかし・・・・・。死んだはずでは・・・・?
 同姓同名なのか・・・?
 でも最初のホールでキャプテンっぽい人はいたが・・・。
 むむむ・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・・・・。
 あ、会えば分かるはずだ・・・。
 とりあえず、明日香ちゃんとパワプロを探す、と。
 !―――――――誰かいる・・・?)

突然前の方から足音が聞こえ、三鷹は木の陰に隠れた。

(うわ、刀・・・。
 くっそ、欲しいな・・・・。
 ・・・にしても、なんだ、アイツ・・・?
 足下がふらついてる・・・というか目つきがヤバイな。
 ・・・・・気でも触れたのか・・?)

―――金山修太。錯乱状態は未だ直っていない。

ふらふらと危なっかしい足取りで歩いてくる。が・・・・。

(あ・・・?突然方向を変えた・・・?
 ば、馬鹿・・・・・!
 こっちに来るな、来るな・・・・・!
 く・る・なっ・・・・・・!)

三鷹の願いも、金山には通じない。

一歩一歩、ふらふらとこっちに来る。

(逃げるか・・・?
 でも・・・・もしアイツが銃も持っていたら・・・?
 ・・・・・撃ち殺される、よな。
 ぐ・・・・・。
 このままでもどうせ見つかる・・・。
 ・・・・・糞ッ・・・・・!)

木の陰から飛び出す。金山の歩が止まる。

「ああ・・・・?」

「お、俺に戦う気はねぇ・・・。
 ここは平和にいかないか・・・?
 お前だってむやみに人は殺したくねぇだろ・・・?」

(く・・・・・
 屈辱的だ・・・・)

「・・・・・・え?大丈夫だよ。
 僕が守ってあげるから」

「・・・・何?」

「舞ちゃんはそこで隠れてて。
 あ、危ないからこっち見ちゃダメだよ・・・」

(舞ちゃん・・・?女がいるのか?
 ・・・・・み、見たい・・・・!
 ・・・・・・・・・・・・よし。
 絶対に、勝つ)

「ヘヘヘヘ・・・・・。
 お前に勝って・・・・舞ちゃんの好感度アップ・・・・!
 うぉわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ!!!」

「いっ・・・?」

金山が刀を振り回しながら突進してくる。

(な、なんだコイツ・・・?
 動きが全然読めねえ・・・・。
 ただ闇雲に振り回してるだけか・・・?
 ど、どうする、俺・・・・!
 型があるならまだしも、メチャクチャじゃ扇子で止められねえ・・・・!
 ぐ・・・・・。
 一瞬でも相手の動きを止められたら・・・!)

迫ってくる刀。バックステップでかわす三鷹。

元の場所から離れたと思ったらすぐに元の――舞の――場所に引き返す。

「ぐあああああああああっ!
 僕の舞ちゃんに何する気だあああああああぁぁぁぁっっっっっっっ!」

(ぐ・・・・・。こうしてる間に他の奴が来そうだな・・・・。
 どうにかして、一瞬だけでも・・・・!
 どうすれば・・・・!扇子でも投げてみるか・・・?
 ・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・?
 投げる・・・・・・?)

「いい加減に・・・・・死ねぇッ・・・・・!」

大振り。金山が体勢を戻すため一瞬止まった。

「!・・・・これでも喰らってなっ・・・・・!」

金山に何かを投げつける。

「わあっ!目、目が・・・・・!」

「・・・・ハッ!」

足払いを仕掛ける。うつぶせに倒れる金山。

その背中と日本刀を持っている右手に足を乗せる。扇子を後頭部につける。

「役に立つものってのは身近にあるもんだねぇ?
 まさに大地に感謝!ってところだな・・・?」

三鷹の手から砂がこぼれる。足の下で金山が暴れている。

「おっと、下手に動くなよ・・・?
 この扇子はナイフ仕込みだ。後頭部に風穴が開くぜ・・・・?
 さ、おとなしく日本刀と舞ちゃんを解放するんだ。
 そしたらお前は見逃してやる。安心しろ、舞ちゃんは大事にするぜ・・・」

――――その時、木の陰から人が現れた。

(お・・・・♪これが舞ちゃん・・・・・・・え・・・・・?)

出てきた影は持っている斧を振り上げ、三鷹めがけて振り下ろしてきた。

―――肉が切れる、鈍い音。飛び散る血と、肉。

「ガァァァァァァァァァァァァァアアアアッッッッッッッッ・・・・・・」

金山の叫び声。三鷹は本能的に金山を蹴り後ろに飛んでいた。

「み、水木・・・・・さん・・・・・?」

三鷹が見たのは、予想していたか弱い女の子などではなく、返り血を浴びながら血で汚れた斧を持っている先輩の姿だった。

【11 金山 修太 死亡】
【43 水木 卓 返り血】【45 三鷹 光一 傷は無し】
【残り44人】