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江川 茂(5番)はリボルバーを構え、一人の青年に向け撃った。

銃の経験は無かったが、狙った青年の頭が異常に大きかったため簡単に当たった。

それは偶然にもその青年のこめかみにあたり、頭部を吹き飛ばした。

江川は、青年が死亡したのを確認するとその場を移動した。

(仕方がないだろう?)

初めて人を殺したため緊張していたせいか、自分に答えを求める。

(自分が生きるにはまわりを殺さないといけないんだから・・・)

彼はこのゲームが必要とする人物そのものだった。

―――すなわち、助けたい人もなく、ただ単に生き残る為だけにゲームに乗る。

彼の知り合いはこの島にも何人かいるが、特に誰も気に留めていなかった。

(むしろマコンデやヘルガに復讐するいいチャンスだ・・・)

・・・この程度にしか思っていない。

(さて、ここらで一休みでもするか・・・・)

適当な所で腰を下ろし、ディパックから地図を出す。

(俺は―――島の北東部、か)

この島は楕円形で、右上がりに傾いている。

島北東部には山があり、これが島の半分を占める。

―――といっても島自体はそこまで大きくないため、半日あれば大の男なら楽に山を越えられる。

これより東は海になっている。ちなみに海沿いに道があり、パワプロ達がいるのもそこになる。

島中央部にも小さな山がある。鋼が戦ったのはこの山である。

中央の山と東の山の間にも一本道があり、縦に横断するときはこの道が一番早い。

島南部には砂浜がある。ここ以外はすべて崖なので、落ちたらまず死と考えてもいい。

ちなみに今は赤坂の死体があるのみだ。

島南西部は住宅街になっている。この住宅街は森に囲まれており、逃げ道は無い。

中には雑貨屋の跡もあり、物資の調達ができる可能性もある。

島北部は何もない。広い平原が広がっている。ところどころ草がかなり伸びているため、身を隠す場所は一応ある。

落田達がいるのはここである。

(・・・・・・・)

江川は考えを巡らす。

(まだ人は多いだろうから下手に見晴らしのいい場所に行くのはマズイ・・・。
 山の中だったら場所は特定されにくいよな・・・・。
 こっちも狙いにくくなるが。
 ・・・・・・。
 今はまだ山の中で行動するか)

そしてもう一つ。

(自分から殺しに行くのはどうだろうな・・・・。
 俺の武器は銃だから場所が他の奴にバレるんだよな・・。
 かといって最後まで隠れるというわけにもいかないし・・・。
 なによりこんなゲームから早くおさらばしたいんだよな・・・。
 ・・・・・。
 残り30を切ったら動くか。
 で、強敵を殺る。うん、そうしよう。
 ・・・・・。
 それじゃあもっといい場所に移動するか・・・)

そして、江川は立ち上がった。



―――江川が出発してから30分ほど経った後。

撃たれた青年、諸星 須賀男(48番)の死体を発見した人物がいた。

「諸星・・・・。悲運な奴だな・・・。仇は、私が取る」

その人物は地を蹴り、その場から気配を消した。

―――21番、迅雷 隼人である。

【48 諸星 須賀男 死亡】
【5 江川 茂 山を移動】【21 迅雷 隼人 殺した人物は分かっていない】
【残り43人】