21 「み、水木さん・・・・・・?」 モグラーズでいろいろ世話をしてくれた先輩が、目の前にいる。 ―――血で染まった衣服と斧を持って。 「た、助けてくれたんですか・・・・?」 「・・・・・・」 (ど、どうしちゃったんだ・・・・? ・・・・・・・。 も、もしかして・・・。水木さんは・・・・・ 乗った人、なのか・・・・?) 水木は無言で日本刀を拾う。が、鞘がないのを見て投げ捨てた。 「み、水木さん・・・・?」 「悪いが・・・」 「は・・・・?」 「―――お前にも、死んでもらう」 背中に隠し持っていたらしい短刀が飛んでくる。 (―――綺麗な送球だ。さすが名セカンド・・・・・。 ・・・・・・じゃねえッ・・・・!) 扇子を開いてそれをはじく。 「―――――ッ!」 斧を振り下ろす水木。地面を転がるようにしてよける。 ―――ズボッ・・・・。 斧が土に刺さる。三鷹は立ち上がり、扇子を持って飛びかかる。 (とりあえず、気絶・・・!) 「・・・ハッ!」 斧を手放しそれをよける水木、が、引こうとした右手に扇子が当たる。 「―――ッツ・・・!」 そのまま腕を上にあげ、顎に当てようとする。 が、それはいなされ脇腹にパンチを喰らう。 「グッ・・・!」 (糞、さすがベテラン・・・・。 隙がない、これじゃ体勢を戻されて負ける・・・。 ―――さっき短刀を投げたって事は銃は持っていないはず。 ・・・・・・・・。 三十六計逃げるにしかず。戦略的撤退だ・・・!) 再び砂を取り、水木の顔にかける。 地面に落ちている短刀を蹴り遠くに飛ばし、ディパックに手を伸ばす。 視界の隅に入った日本刀も持ち、全速力でそこから脱した。 「グ・・・・あの野郎・・・・」 後に残ったのは、目を擦りながら斧を引き抜く水木だけだった。 (3人目で失敗、か・・・・) 短刀を拾い上げると、斧の血だけを拭いてその場を後にした。 「ハァ・・・ハァッ・・・・・ハァッ・・・・」 (ここまで来れば大丈夫か・・・?) 適当な木の陰を選び、息を整える。 (しかし・・・・・) まだ興奮している息を抑えながら考える。 (水木は、乗った。 あの血はあの眼鏡の血だけじゃない・・・。 ・・・・俺も、殺されかけたから。 ・・・・・・まずいな。 多分目的の人以外は皆殺しのつもりだろう・・・・。 う・・・。 明日香ちゃんと会う前に止めなきゃ・・・・!) そして日本刀を見る。 刃に影響が出ないようにそうっと地面にさす。 ―――それに黙祷をしたあと、出発した。 【43 水木 卓 右腕に少し打撲傷】 【45 三鷹 光一 変化無し】 【残り43人】