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「み、水木さん・・・・・・?」

モグラーズでいろいろ世話をしてくれた先輩が、目の前にいる。

―――血で染まった衣服と斧を持って。

「た、助けてくれたんですか・・・・?」

「・・・・・・」

(ど、どうしちゃったんだ・・・・?
 ・・・・・・・。
 も、もしかして・・・。水木さんは・・・・・
 乗った人、なのか・・・・?)

水木は無言で日本刀を拾う。が、鞘がないのを見て投げ捨てた。

「み、水木さん・・・・?」

「悪いが・・・」

「は・・・・?」

「―――お前にも、死んでもらう」

背中に隠し持っていたらしい短刀が飛んでくる。

(―――綺麗な送球だ。さすが名セカンド・・・・・。
 ・・・・・・じゃねえッ・・・・!)

扇子を開いてそれをはじく。

「―――――ッ!」

斧を振り下ろす水木。地面を転がるようにしてよける。

―――ズボッ・・・・。

斧が土に刺さる。三鷹は立ち上がり、扇子を持って飛びかかる。

(とりあえず、気絶・・・!)

「・・・ハッ!」

斧を手放しそれをよける水木、が、引こうとした右手に扇子が当たる。

「―――ッツ・・・!」

そのまま腕を上にあげ、顎に当てようとする。

が、それはいなされ脇腹にパンチを喰らう。

「グッ・・・!」

(糞、さすがベテラン・・・・。
 隙がない、これじゃ体勢を戻されて負ける・・・。
 ―――さっき短刀を投げたって事は銃は持っていないはず。
 ・・・・・・・・。
 三十六計逃げるにしかず。戦略的撤退だ・・・!)

再び砂を取り、水木の顔にかける。

地面に落ちている短刀を蹴り遠くに飛ばし、ディパックに手を伸ばす。

視界の隅に入った日本刀も持ち、全速力でそこから脱した。

「グ・・・・あの野郎・・・・」

後に残ったのは、目を擦りながら斧を引き抜く水木だけだった。

(3人目で失敗、か・・・・)

短刀を拾い上げると、斧の血だけを拭いてその場を後にした。



「ハァ・・・ハァッ・・・・・ハァッ・・・・」

(ここまで来れば大丈夫か・・・?)

適当な木の陰を選び、息を整える。

(しかし・・・・・)

まだ興奮している息を抑えながら考える。

(水木は、乗った。
 あの血はあの眼鏡の血だけじゃない・・・。
 ・・・・俺も、殺されかけたから。
 ・・・・・・まずいな。
 多分目的の人以外は皆殺しのつもりだろう・・・・。
 う・・・。
 明日香ちゃんと会う前に止めなきゃ・・・・!)

そして日本刀を見る。

刃に影響が出ないようにそうっと地面にさす。

―――それに黙祷をしたあと、出発した。

【43 水木 卓 右腕に少し打撲傷】
【45 三鷹 光一 変化無し】
【残り43人】