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忍者。今時珍しい・・・というか、普通はいない。

当然、誰も信じてはくれない。

ただの忍者マニアと思われ、それでおしまい。

コーチとして以外の付き合いは無く、私はいつも一人だった。

孤独には慣れていた。忍者なんて、そんなものだ。



占い師として町には出ていた。

当然占い師というのは仮の理由で、本当は情報収集のため。

一応占いの心得はあったため、小遣い稼ぎ程度にはなっていたが。

占い師として過ごしながら、町をぼんやりと見ていた。

人々の動きを、見ていた。

平和で、幸せで、そして・・・

醜いな、と思った。



私が忍者になることは家系から決まっていた。

朝早く起床し、軽く体を動かす。

一日二度の精進料理を食べ、依頼された仕事か修練、農業をする。

夜は一日の行動を省みて、忍者整形をし、疲れを癒す。

深い眠りは厳禁で、寝るときは仮眠。

忍者の一日はざっとこんなものだ。

仕事は、私達を知っているわずかな人から依頼される。

内容は、ほとんどが一級犯罪だった。

重要書類を盗み出したり、時には人を殺したり。

失敗すれば、私達のことを公にされる・・・・。

私達は、犬以外の何でもなかった。



ある任務で、私はどこかの豪邸に忍び込んだ。

内容はある人物の暗殺。なんでも政府のお偉いさんだそうだ。

私にとって、そんなことはどうでもよかった。

―――庭を横切ろうとしたとき、事は起こった。

飛んでくる一本のクナイ。

私は音が鳴らないようにそれをいなし、飛んできた方角を見た。

そこにいたのは、私の父親だった。

父親は、私の標的の護衛を依頼されていたらしい。

私達は、戦った。



勝負は一瞬で着いた。

私の刀が、父の腹を貫いていた。致命傷、だった。

私には、父が手加減をしたようにしか見えなかった。

別れの言葉を言うことなく、父は姿を消した。

私はすぐに任務に戻った。

暗殺を終え、自分の里に帰った。

―――そこで、生まれて初めて涙が出た。



その晩、私は里を出た。

抜け忍が重い罪になる・・・そんなことは知っていた。

しかし、もう耐えられなかった。

追っ手はすぐに来た。

私は里では有力な忍者だったため、返り討ちにするのはたやすかった。

町に出て、私はモグラーズのコーチになった。

能力重視で年齢、性別、過去の経歴は一切不問――これに惹かれた。

ただ、男装はした。

追っ手との戦いにモグラーズは巻き込みたくなかったから。

これは、私の過去との戦いだったから。



ホモの筋力コーチ、権力に従う一軍監督、ぶっきらぼうなベテラン、マニアな投手、そして突然やる気を出し始めたアイツ。

モグラーズは、面白かった。



なぜ、突然こんなことを思い出したのか・・・?

その理由は、迅雷自身にも分からなかった。



島を駆ける忍者が一人。

彼の目的は、争いを鎮めること。

―――大神の思惑通りになっている犬を止めること。

【残り42人】