26 島西部に位置する小さな住宅街。 本来なら少ないながらも人がうろついていたであろうその街も、今はその面影もない。 そんな町の入り口に、三つの人間の姿があった。 天本 玲泉(4番)、神木 唯(12番)、小山 高雄(18番)である。 小山がウージーを持ち、先に街に進入する。 建物の影から街を見渡し、後ろの二人に手招きをする。 そして3人はその建物に入った。 (・・・疲れた・・・) 家に入ったとき、俺はそう思った。 (誰とも交戦していないのにここまで精神力を消耗するとは・・・) 俺は運良くスタート直後に二人と会った。 天本が知り合いを見つけようと待っていたところに、偶然にも同じスタート場所だった神木が、二人が話していたらすぐあとに俺が出てきた、ということだ。 余談だが、俺達のスタート場所からは天本→?→神木→俺と出てきたらしい。 二番目は知らない人物らしい。 ちなみに尾行はされていない・・・と思う。 俺の武器はノコギリだったのだが、神木が自分の銃を差し出してきた。 どうやら、守れ!・・・ということらしい。 その後、天本の「どこかで休みたい」と神木の「森はヤダよ」という意見に従い、ここに来た。 ここまで来るまではそんなところだ。 「あ、ベットがあるよ! 天本さん、こっちこっち!」 「本当ですか・・・?」 「おい、あまり大きい声を出すなよ。 敵に居場所が知られたらまずい」 「ねー小山君、ちょっと寝ててもいいかな?」 聞いちゃいない。 「・・・ああ、好きにしろ」 「うん。じゃあ見張りよろしくね!」 「お願いしますね、小山さん」 「・・・・ああ」 そして部屋のドアを閉める音が聞こえ、家の中は静かになった。 自分のディバックを持ち、玄関に行く。 ディバックの中から森で拾っておいた薪を出し、玄関にばらまく。 (・・・これで、ドアが開けば音が鳴る) そして俺は神木達の寝ているドアの前に腰を下ろした。 再びディバックを開け、中からノコギリを出す。 (俺の生業用道具がこんなものに使われるとはな・・・) 刃を見る。切れ味は悪くなさそうだ。 (まあこれで人を切るなんて事は無いと思うが・・・) そして、神木から預かったウージーを見る。 (銃なんて初めてだぞ・・・。 確か・・・堤が「反動がすごいから普通の人じゃ使えない」とか言ってたな。 ・・・俺は普通の人に入るのか?) (はじめは、夢だと思った) 私は、毛布にもぐりながら思い出していた。 ―――大神君のお父さんが現れたこと。 ―――殺し合いをしろと言われたこと。 ―――人が一人、目の前で撃ち殺されたこと。 ―――血を見た小山君を止めたこと。 ―――目隠しをされ、どこかに連れて行かれたこと。 ―――天本さんや小山君と再会できたこと。 突然、涙がこぼれそうになる。 (な、泣いちゃダメ・・・。 小山君達に心配かけちゃう・・・・) 慌ててそれを拭う。しかし、それは止まらない。 (・・・・・・) ―――しばらくして、彼女は寝た。目に涙の粒を残して。 静かな街、静かな家。 そこは、哀しくも―――平和な場所。 【4 天本 12 神木 睡眠中 18 小山 見張り】 【残り42人】