28 枝をかき分け、道を造る。 だが、少し手を離すだけですぐに道は塞がってしまう。 (鬱陶しい) 俺は、ただそう思っていた。 倉刈と別れた後、俺は街への歩を早めた。 今は冬。日が落ちるのは早い。 没収されなかった腕時計を見ると、すでに短針が4に重なっていた。 そして―――12/29 Wedという文字が、目に入った。 ―――それは、いつもと変わらない一日だった。 解放されてから、しばらくは布具里に付き合っていたが、それもやめた。 今は、ただのフリーター。 毎日それなりに日給の高いバイトに励む。 たまに暇があると、和桐製作所をのぞきにふらつく・・・・。 そんな、平和で、退屈で、中身のない毎日を送っていた。 ・・・あの日も、例外ではなかった。 年末の深夜バイトで日払いの給料をもらい、家に帰る。 そして、俺は確かに寝たはずだった。自分の家で。 そして、気がつけばそこはどこかのホールに変わっていた。 退屈な日常は、影も見あたらなかった。 (クソッ・・・・。 辺りが本格的に暗くなってきやがった・・・) 俺がそこを目指している理由は二つ。 一つは食料と水を確保するため。 前半戦に食糧確保をすれば、その後は戦いだけに集中すればいい。 一人でゲームに参加している俺にとっては、この作戦が一番得策だ。 そして、もう一つは武器の補充。 マグナムは威力も高く、距離をとっても戦える。 しかし、その分反動は激しい。 今も、さっきの衝撃が少し手に残っている。 それに、弾が切れてしまえばそれまでだ。 だからこそ、何か接近戦用の武器が欲しかった。 (見えてきた・・・) それは、小さな住宅街だった。 建物の影に隠れ、人の気配がないことを確認すると次の建物に移る。 (ここが雑貨屋・・・?) 俺の思い浮かべていたのは、街のどこにでもあるようなコンビニ。 実際にあったのは、アニメであるような田舎の家。 (確かに色々置いてあるようだが・・・。 ロープ、洗剤、駄菓子、マッチ、ロウソク、文房具・・・。 武器といえばカッター代わりのボンナイフぐらいか。 まあ貰えるだけ貰っておいたほうが良さそうだな) 店の中の使えそうなものをディバックに入れ、そこを後にする。 (後は食料だ・・・。 水は確保できたが肝心の食料がなきゃ意味がない。 食料というとやっぱり民家の中か?) 雑貨屋の隣にあった民家の前に立つ。 鍵はかかっていないようだ。 (・・・・誰も・・・いない、な) 台所と思われる所に行き、物色し始める。 (お、カンヅメ。 あとは・・・・ミカン。 米は炊けないし重いから置いていくか) それらもディバックに詰める。少し重くなった。 (よし、いい収穫だ・・・。 さあ、長居してる暇はねえ。 さっさとオサラバしないとこっちが危なく―――!) 雑貨屋には、先客がいた。 ただ、その時の彼は未装填の銃しか持っていなかったため、小杉は助かった。 小杉は店から去り、彼は弾を装填した。 ―――今、一軒の民家の扉が開いた。 【17 小杉 優作 訪問者不明】 【残り42人】