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枝をかき分け、道を造る。

だが、少し手を離すだけですぐに道は塞がってしまう。

(鬱陶しい)

俺は、ただそう思っていた。

倉刈と別れた後、俺は街への歩を早めた。

今は冬。日が落ちるのは早い。

没収されなかった腕時計を見ると、すでに短針が4に重なっていた。

そして―――12/29 Wedという文字が、目に入った。



―――それは、いつもと変わらない一日だった。

解放されてから、しばらくは布具里に付き合っていたが、それもやめた。

今は、ただのフリーター。

毎日それなりに日給の高いバイトに励む。

たまに暇があると、和桐製作所をのぞきにふらつく・・・・。

そんな、平和で、退屈で、中身のない毎日を送っていた。

・・・あの日も、例外ではなかった。

年末の深夜バイトで日払いの給料をもらい、家に帰る。

そして、俺は確かに寝たはずだった。自分の家で。

そして、気がつけばそこはどこかのホールに変わっていた。

退屈な日常は、影も見あたらなかった。



(クソッ・・・・。
 辺りが本格的に暗くなってきやがった・・・)

俺がそこを目指している理由は二つ。

一つは食料と水を確保するため。

前半戦に食糧確保をすれば、その後は戦いだけに集中すればいい。

一人でゲームに参加している俺にとっては、この作戦が一番得策だ。

そして、もう一つは武器の補充。

マグナムは威力も高く、距離をとっても戦える。

しかし、その分反動は激しい。

今も、さっきの衝撃が少し手に残っている。

それに、弾が切れてしまえばそれまでだ。

だからこそ、何か接近戦用の武器が欲しかった。



(見えてきた・・・)

それは、小さな住宅街だった。

建物の影に隠れ、人の気配がないことを確認すると次の建物に移る。

(ここが雑貨屋・・・?)

俺の思い浮かべていたのは、街のどこにでもあるようなコンビニ。

実際にあったのは、アニメであるような田舎の家。

(確かに色々置いてあるようだが・・・。
 ロープ、洗剤、駄菓子、マッチ、ロウソク、文房具・・・。
 武器といえばカッター代わりのボンナイフぐらいか。
 まあ貰えるだけ貰っておいたほうが良さそうだな)

店の中の使えそうなものをディバックに入れ、そこを後にする。

(後は食料だ・・・。
 水は確保できたが肝心の食料がなきゃ意味がない。
 食料というとやっぱり民家の中か?)

雑貨屋の隣にあった民家の前に立つ。

鍵はかかっていないようだ。

(・・・・誰も・・・いない、な)

台所と思われる所に行き、物色し始める。

(お、カンヅメ。
 あとは・・・・ミカン。
 米は炊けないし重いから置いていくか)

それらもディバックに詰める。少し重くなった。

(よし、いい収穫だ・・・。
 さあ、長居してる暇はねえ。
 さっさとオサラバしないとこっちが危なく―――!)



雑貨屋には、先客がいた。

ただ、その時の彼は未装填の銃しか持っていなかったため、小杉は助かった。

小杉は店から去り、彼は弾を装填した。

―――今、一軒の民家の扉が開いた。

【17 小杉 優作 訪問者不明】
【残り42人】