36 『―――ゲーム参加者諸君、夜遅くの放送申し訳ない。 只今をもって、この島も12月30日を迎えた。 今残っている参加者は35人だ。 これからの健闘を祈る。 では、今までの死亡者を挙げる。 ―――1番、赤坂 洋一。4番、天本 玲泉。5番、江川 茂。 9番、鬼鮫 清次。11番、金山 修太。18番、小山 高雄。 22番、高城 秋生。23番、竹中 昇。28番、手久野 正巳。 31番、任月 駆。32番、ネロ。36番、服部 国男。 38番、PX-001。40番、古沢 小一郎。48番、諸星 須賀男。 以上だ。 私からも冥福をお祈りしよう。 それではまた12時間後に会おう。クククク・・・・』 パワプロは山の中にいた。 (教祖―――たかゆき―――それに・・・ネロ) 彼の左腕には布が巻いてあり、その布は紅く染まっていた。 (でも・・・極亜久高校のみんなは・・・・まだ・・・) 息が荒くなってきていた。 (これ以上は―――) 歩いてきた道には、赤い斑点の模様がついていた。 「ヘルガさん・・・?」 江川が死んだ。 「・・・・もしかして、今の放送に・・・・」 「いや、誰もいない。そもそも、私が案ずるような人はこのゲームにはいない」 「・・・そうッスか。じゃ、俺は寝るッス。 ヘルガさん、見張りは頼んだッス・・・」 「・・・・」 (過去・・・・か) 私は、一人銃の整備をした。 「フン、江川が死んだか。 俺達を散々扱き使った報いだぜ」 「・・・三谷」 ワシは、横で泣いている人をチラッと見て、三谷を睨む。 「む、・・・・すまない」 ワシの横では、途中で合流した村上と島岡がいた。 島岡は、今の放送で知った人がいたらしく、泣いていた。 「・・・・天本・・・・・・小山・・・・・・」 村上は、そんな島岡の背を撫でていた。 (・・・頭を撫でるべきだと思うんやが・・・・) 「外藤さん・・・」 水原が話しかけてくる。 「・・・なんや」 「出発は、明日の朝早くにしましょう。 とりあえず、大神の場所だけでも・・・」 「・・・分かった」 辺りは、島岡の啜り声だけが響いていた。 倉刈は参加者リストを手にとってチェックをしていた。 (・・・・私は、他人まで巻き込んでしまうらしい・・・) チェックをし終わり、紙をしまう。 (何故か私の知り合いには、参加者が多い・・・・) そして、休む間もなく歩き出す。 (日出子―――生きててくれ・・・・) ディバック内の防弾チョッキは、未だにそのままだった。 浅上 綾華は、静かに立ち止まって放送を聞いていた。 (支部長は生きている・・・。 それに・・・小杉も) 聞き終わり、また静かに動き出す。 (―――大神―――) 「小山君が・・・それに天本さんまで・・・・」 「たかゆき・・・・・クソッ・・・・・」 俺達の中でヒットしてしまったのは、堤とボボだった。 「お前ら・・・」 声をかけようとしたところを、野球マスクに止められる。 「今は、そっとしてあげましょう」 「いや、俺は慰めようと・・・」 「大切な人が死んだときは、どんな言葉も無力ですよ―――」 そう言って野球マスクは目を瞑る。 「アニキ・・・」 「・・・・・。 ―――無力、か」 俺は、泣く二人をただ見ていた。 「会長様、放送終了致しました」 イワノフが入ってくる。 「・・・・ご苦労」 私は少量のチップを渡す。 「ありがとうございます」 頭を下げているのが見える。 私は再びモニターに目を移した。 「まだ半数以上ですね・・・」 「・・・・興は長いほど良い」 「・・・・なるほど」 やがて、私は一つのモニターに目を移した。 【残り35人】