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目が覚めた。

朝の光が閉じたカーテンの隙間から入ってきて眩しい。

俺は起きると、日めくりカレンダーの紙を一枚めくる。

12/29・・・・そう書いてあった。

ポストから新聞を取り、内容を読む。

(・・・アンヌは・・・お、結構いい感じじゃないか・・・・。
 あ、記事書いたのは大谷さんか。
 えーと・・・それから・・・・?
 『発明詐欺の冬野被告、最高裁で無罪』
 ・・・・なんだそりゃ?)

次に携帯に手を伸ばし、メールをチェックする。

(新着メールが一通、と。
 えーと・・・あ、薫さん。
 『パーツ発明したから見に来て下さい』・・・・。
 俺はもう人間だってのに・・・・。
 ・・・・智美からは相変わらず音沙汰も無し、と)

ご飯に味噌汁をかけて腹に流し込む。

「・・・・ゲホッ、ゲホッ」

・・・・むせた。



飯を食い終えると、ゴミ袋を持って外に出る。

ゴミ捨て場に向かうと、ヒナコちゃんとバッタリ会った。

「あ、パワプロさん、おはよう」

「ああ、おはよう」

「今日は早いんですね?いつもはもっと寝てるのに・・・」

「ああ、いろいろ買い出しに行かなきゃいけないからね。
 午後はゆっくりしたいから、朝早くね。
 ヒナコちゃんも一緒に行かない?」

「・・・一緒に行きたいんだけど、バイトがあるの・・・。
 あ、そうだ!晩ご飯一緒に食べない?
 カレー、つくってあげようか?」

「あ、ホント?
 是非行かせていただきます!」

「じゃあ今日の7時にウチに来て。
 それじゃ、夜にね〜!」

「ああ、またね!」



ヒナコと別れ、俺はその足で街に向かう。

(ん?何か新書が出たみたいだな・・・・。
 えーと・・・『これを読めば必勝!受験合格指南 服部 国男』・・。
 ・・・一冊買ってあげるか・・・)

本を買い、再び街をぶらついていた。

「おーい、パワプロォ!」

「あ、外藤さん」

「へへ、ついにワシも街に進出や!
 どや、店寄ってかないか?
 たこ焼き一個ならサービスするで?」

「はは、それじゃ少し・・・」

「おっしゃ、こっちや、こっち!」

「わー!引きずらないでぇ・・・・・・・・・・・・」



外藤さんと飲んだあと、公園へ向かう。

(うう・・・店主のくせに客と飲んでていいのかよ・・・・。
 あ、頭がフラフラする・・・・。
 公園で休もう・・・・)

ベンチに座っていると、パコーン、パコーンという景気のいい音が聞こえてくる。

(お、ゆかりちゃんが野球やってるのか。
 どれ、少しぐらいなら大丈夫だろ・・・)

「おーい、ゆかりちゃーん」

「あ、おにいちゃん!久しぶりだね!」

「またアイツかよ」

「またアイツでしゅ」

「ハハハ、三人とも相変わらずだなあ。
 俺も仲間に入れてくれないか?」



少し頭は痛かったが、ムリヤリ体を動かす。

野球を終えた頃には、かなりフラフラになっていた。

「おにいちゃん、またね!」

「あ、ああ。またねー・・・・・」

(うう、7時まではまだ時間がある・・・・。
 帰って休もう・・・・)

「む?
 そこにいるのはパワプロではないか?」

「は、鋼?」

「ちょうどいい。
 オクトパスの連中を鍛えるところだったのだ。
 プロとしてコーチに来てくれないか?」

「あ、いや、俺は今頭が・・・」

「今はあっちの方で練習している。さ、いくぞ」

「え?あ?あー!引きずらないでぇ・・・・・・・」



6時半になり、やっと解放される。

(うう・・・酷い目にあった。
 早くヒナコちゃんの家へ行こう・・・)

唐沢家のチャイムを鳴らす。

「あ、パワプロさん?今開けるから、ちょっと待ってて!」

ヒナコに案内され、中にはいる。

カレーの美味しそうな匂いがただよう。

「はい、ヒナコ特製カレーです!
 おかわりもあるんで、たくさん食べて下さいね」

ヒナコちゃんのカレーは、本当に美味しかった。



「ねえ、パワプロさん・・・・」

「ん?どうしたのヒナコちゃん」

晩飯を食べ終わり、家の外に出たとき。

「大晦日、会えない?」

「大晦日?大丈夫だけど?」

「エヘヘ、じゃあ、大晦日の10時、公園で待ち合わせ。
 ・・・・・いい?」

「ああ、分かった。それじゃあまた!」

「うん!おやすみ〜」

【閑話休題】