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携帯電話と情報端末をコードで繋ぐ。
(・・・あれ?
死亡者表のデータが破損してる・・・・。
・・・・。
やっぱり、さっきの音―――反乱だったみたいね)
次のデータを見る。
(残り18人・・・。
一日経って、32人減ったの・・・?
・・・・まったく、何考えてるのかしら)
情報端末の電源を切る。
携帯電話と共に、バックに入れる。
(備えあれば憂い無し―――まさにこのこと、ね)
私は、この二つだけは肌身離さず持っている。
連行された日は上着に入れていただけなのだが、没収はされなかった。
(わざとしなかった、とも考えられるわね・・・・)
ため息を一つ吐く。
(――――反乱が起こる・・・。
このこともあの人の手中。
ということは――――作戦、成功したのかな)
音のした方に向かって、再び歩き出す。
(一日誰とも会って無いなんて、私ぐらいじゃないの?)
そんなことを考えていたときだった。
―――前から、何かがやってくる。
私は立ち止まり、耳を研ぎ澄ます。
(・・・・奇妙な呼吸・・・・。
ということは・・・・)
姿がハッキリと見える。
それは―――良く見知った、初恋の人――――
――――に良く似た、全くの赤の他人であった。
(実物を見たことはなかったけど・・・・外見は普通の人間と一緒ね・・・。
でも―――精神を改造されてるはずだから、私を攻撃してくるはず)
私の目の前の男は、丸腰。
(素手でも―――こいつらの場合は驚異ね。
遺伝子改造の恐ろしさ・・・・生で体験できるワケね・・・)
それに対し私は、ディパックと支給武器。
ディパックを後ろに投げる。
―――といっても、中のモノが壊れない程度にだが。
左手を前に出す。
手のひらを空に向け、指でこっちに来るように促す。
「――――さあ、かかってきなさい――――!」
「オオォォォオオオオオオォォォォ!!」
人間なのか、獣なのか分からない声で男が襲ってくる。
右手で、空中を薙ぐ。
私は軽く横に避ける。
するとそれを狙ったかのように左手で裏拳を出してくる。
とっさにしゃがみ、そのまま後ろに飛ぶ。
私のいた位置を、鋭いローキックが貫く。
男はそのまま左足だけで飛び、体全体を捻って蹴りを繰り出す。
私は攻撃のたびに近くの木の影に飛び込み、木が削られていくと移動する。
(・・・・なるほど、確かに凄いわ・・・・)
木が倒れる。
(・・・普段からトレーニングでもしてない限り、コイツを相手にするのは無理ね・・・)
葉が飛ぶ。
(・・・・でも・・・・)
私は突然走り出す。
当然、男も追ってくる。
「――――その程度で――――」
支給武器の銃口を、男に向ける。
「――――この、四路智美を倒せるなんて、思わないで――――!」
男が近づいてくる。
引き金を、引く。
銃口から、火が出る。
飛びかかろうとしていた男の―――顔に、胴に、足に―――火が燃え移る。
「ギャアァァァアアアアアアアアアアアッッ!!」
男が、地を転げる。
(・・・どうやら、私に火を燃え移らせようという考えは起こらないみたいね)
周りに木や草が無い場所まで走ったため、火が燃え移ることは、無い。
男は、相変わらず転げ回っている。
(・・・・哀れな―――死のダンス、と言ったところかしらね)
私は、火が消えるまで、そのダンスを見続けた。
―――彼の実験には、豊かな自然が必要らしい。
私のいる某都に、「豊かな自然」は少ない。
そこで私は某都南部の島を買い、A級シークレットにした。
住民には金を一束ずつ渡し、本土に送った。
何人かの頑固な住人には紙ではなく鉛玉をあげ、黙らせた。
島に研究施設をつくり、人工岩で周りをカモフラージュした。
島に着いた博士は、早速種を植え始めた。
「幸せ草」の種らしい。
「幸せ島」でつくった物の改良版らしく、博士が自慢げに語っていた。
そして博士は、私にこんなことを言ってきた。
「幸せ島で反乱を起こした男を捕まえて欲しい」―――。
私は警察の力を使い、居場所をつきとめた。
和桐製作所で働いているらしく、それも今日辞めるとのことだった。
野球の試合を終え、一人になったところを確保した。
島に連れて帰ると、博士は次にこんな事を言ってきた。
「この男の遺伝子と酷似した遺伝子の持ち主を捜して欲しい」―――。
再び本土に戻った私は、プロペラ団のデータベースを調べた。
その結果、4人の男がヒットした。
一人は、今は廃校になった「極亜久高校」を率い甲子園優勝を果たした男。
一人は、ドラフト6位入団のくせに3年でモグラーズを日本一に導いた男。
一人は、弱小高である「日の出高校」を率い甲子園優勝を果たした男。
最後の一人は、3年間で急に成績を上げ、大神モグラーズを日本一にした男。
ただ、初めの一人は「死亡」となっていたため、実質3人だった。
博士にこのことを伝えると、
「残りの3人も確保しておいて下さい」―――と言った。
私が連行してくると、博士は彼等に簡単な素材名を付けた。
モグラーズを日本一にした男をsample-A。
日の出高校を率いた男をsample-B、大神モグラーズの男をsample-C。
そして、最初に確保した男をsample-Dとした。
―――この時、既に私は勘づいていた。
―――この研究は、普通には終わらない―――と。
【sample-A 死亡】
【50 四路 智美 支給武器は火炎放射器】
【残り18人】