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(大神・・・なぜ・・・・!)

03番 浅上綾香は倉刈を尾行しながら考えていた。

(人殺しは嫌いではない。何度も、何度もやってきたから。
 だが、何故このような実験的なゲームごときに私が!
 さらに、支部長まで・・・!
 許せない。絶対に優勝して、アイツも殺す。この手で・・・)

彼女は50番 四路智美を崇拝していた。

プロペラ団崩壊が崩壊したときも、真っ先に思い浮かんだのは四路の行方。

まあ、もともと彼女はプロペラ団の崩壊を信じていなかったが。

その後大神を頼りに裏社会を駆けめぐり、四路の話を集めた。

それを心の支えにしながら生きてきた。

そして――――このゲームで二人は抜擢された。

(二人の生き残り枠は、私と支部長で貰う。
 ――――そして、大神を殺る。
 そのためにも、残りの人は殺さなければならない。
 たとえ全員が私に向かってきても、私は勝つ。生きて先支部長と会うため)

――――その時、大神の声がゲームの開始を告げた。

(まずはこの貧弱そうな男から殺る――――!)

彼女の支給武器はメス。毒が付いているわけでも無い、ただのメス。

(投げても大した傷にはならない、喉笛をかっ切った方がいい)

そして彼女は藪から飛び出した。音もなく、気配も消して。

視界の隅に何かが映る。綾香は意識をそちらに向けた。

(今のは―――!・・・・グッ)

とっさに前転をする。

その直後、彼女のいた場所を弾丸が貫いた。葉が飛び、舞う。

「だ・・・誰ですかっ・・・?
 わ、私には戦う気は・・・・!」
 
倉刈が振り向かずに言う。足が震えている。

「あら、小杉さん・・・久しぶりですわね。
 不意打ちなんて・・・相変わらず卑怯なのね」

そこに立っていたのは、17番 小杉優作。

支給武器であろう大口径のマグナムを構えている。

「お前こそ倉刈を狙ってたんだろ・・・?
 卑怯なのは、お前も、だ」

構えたまま小杉が言う。狙いは相変わらず綾香の額につけられている。

「私に毒を盛られて、奇跡的に助かったかと思えば
 塚本に売られた間抜けな間抜けなあなたとこんな所で会えるとはね・・・」

「こっちこそ願ったり叶ったり、だ。
 お前は殺したい相手の一人だったからなあ・・・!」

(こっちの武器はメス、あっちは銃・・・。
 不利、ね。一時撤退・・・・しかたないわね。)

「お相手をしたいところだけど、こっちが不利みたい。
 一度撤退させてもらうわ・・・。
 次は、殺すけどね・・・・」

メスを一本投げる。それは小杉の頬をかすめ、緩やかに地面に落ちる。

小杉が銃を構え直したとき、そこに綾香の姿はなかった。

【03 浅上綾香 一時撤退。次の獲物を探す。】
【15 倉刈仁志 放心状態】
【17 小杉優作 支給武器 マグナム】
【残り49人】