9 36番 服部国男は悩んでいた。 彼を悩ませているのは、先ほどの銃声でも、最初の犠牲者の姿でもなかった。 彼を悩ませているのは―――彼の支給武器。 木刀なら良かった。ナイフなら言うことはなかった。 彼の支給された物は―――――納豆。 表面に「金の○ぶ」と書かれた納豆である。 (武器とは言わないでしょう、これは・・・・・) ため息を一つ、吐いてみた。 (確かに私はたくさんの信者をだましてきました。 「食べれば勝つ納豆」も発売したことがあります。 しかし・・・。 嗚呼、神よ!何故あなたは私にこのような仕打ちを! 何故善良な一般市民に悪の手を・・・・) 信者を騙す時点で「善良」では無い気がするが、気にしてはいけない。 「食べて筋力をつけろと言うのか・・・! それとも敵の顔に当てて逃げろとでも言うのか・・・! ・・・・・・ハッ!もしや・・・・・。 実は「納豆型の爆弾」とかなのであろう! どれ、説明書でも・・・・」 「納豆 ハズレ武器。己の運を恨め。」 (・・・・・・・・) 彼の愚かなのは、言葉に出してしゃべっていたこと。 当然話し声を聞きつけ、「来訪者」が来る。 ガサガサッ・・・・・ 「む・・・。神の恩恵を求む者ですかな・・・・ッ!」 突然息が吸えなくなる。手が宙を藻掻くが、何もつかめない。 そのうち抵抗する力もなくなり、意識が遠のく。 (み、・・・・皆に・・・神のご加護があらんことを・・・・) ・・・・人間、死ぬときは律儀なものである。 首を絞めていたベルトから力がなくなったところでベルトを取る。 影からでてきたのは、26番 塚本甚八であった。 (キシシシシシ。馬鹿な奴、独り言で死によった・・・・。 どれ、奴の武器でも頂きますか・・・・) 彼が愚かなのは、その独り言を聞かなかったこと。 (・・・・・納豆?) 【36 服部国男 死亡】 【26 塚本甚八 納豆を見て呆然。支給武器はベルト】 【残り48人】